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熱夢の女王 上 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-12)

熱夢の女王 上 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-12)

熱夢の女王 上 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-12)

作家
タニス・リー
浅羽莢子
出版社
早川書房
発売日
1989-03-01
ISBN
9784150201210
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熱夢の女王 上 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-12) / 感想・レビュー

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madhatter

再読。確かに本巻のアズ父子は最早、親子であることすら皮肉な関係に感じられる。だが、P223「言葉のすべてが涙であったよ」という父親の台詞は、それまでの緊迫した対話の中で、優しさすら感じる。彼はかなり早い内から娘を理解していた(もしくはしようとしていた)のではないだろうか。口では母と娘を切り離しているように言ってはいても、実際にはそう考えてはいなかったのかもしれない。そしてこの台詞が、発し手と受け手を逆にして、下巻で繰り返されることを想起すると、関係の修復は娘だけの力によるものではないように思えた。

2011/07/14

冬薔薇

アズュラーンの娘アズュリアズの物語、後半の神との戦いがどう展開するのか期待する。

2011/01/07

madhatter

再読。アズュリアズは物語前半で、闇の君主達の精神的な支配を受ける(彼女は恋人、父親、叔父である彼等に依存している)。状況は特殊だが、下巻にまで至る彼女の心の成長は、女性達の普遍的な成長過程にも思えた。ところで、闇の君主達がそれぞれの属性を象徴し、華やかで強烈なキャラクターを有するのに対し、神という存在がくすんだ造形、印象薄い形に描かれている。神は人間に飽きているとも。この考え方は興味深い。しかし、神が実際にいたとしても、こういう存在なのだろうと納得させられる。

2010/03/21

金木犀

FT121 1989.3初版  リーの新刊と言うだけで速攻買ったなあ・・・

アルハ

妖魔と人間の間に生まれたアズュリアズ。 父親の気まぐれで生み出された娘ゆえに父親の掌の上で踊らされる生。だが愛されることは一度たりともなく、名前からして彼女の意思は無視されている。一度は恋人とともに父親から逃れようとしたが、結局は父親の望む姿で生きる道を歩むことに…… 第1作から子供を愛せない親の姿が幾たびか書かれてきたが、ここでアズュラーンその人がそうなるとは。まあ妖魔を人間のものさしで測ってはいけないのだろうが。人の世で神を演じ続けるアズュリアズがどこか痛々しい。

2018/07/06

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