熱夢の女王 下 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-13)
熱夢の女王 下 (ハヤカワ文庫 FT リ 1-13) / 感想・レビュー
rinakko
素晴らしい読み応え。
2015/07/14
madhatter
再読。美しい物語。本書の最後で、妖魔と愛の関連性、全ては根幹で繋がっていることが言及される。してみると、宿命、狂気、死、そして悪を、限りある人生において手懐けたアズュリアズは、限りある生の中で愛の君主になったとも言える。また、アズュラーンは彼女を自分だけの娘にしようとして果たせなかったと思っている。だが、彼女は最終的に、母親のようになることで、妖魔の王の娘として、父の一部、愛を象徴する者となったと私には読めた。しかし…アズュラーンもウールムも、少しずつ変わっていくのは、何度読んでもやはり切ないな…。
2010/03/22
堆朱椿
4作めで、主人公の成長(進化?)物語になるとは…私には意外な展開に思えた。こういう内容は決して嫌いではないのだけれど、『平たい地球シリーズ』に限っては、一作めの冷酷で耽美一辺倒、男性は読まなくていいよ、女性読者のためにやりたい放題書いてくれよ、な世界観がちょっと恋しい。
2014/11/24
mjn_srg
改めて考えると、タニス・リーの世界観はとにかく綺麗で残酷である印象があったのだが、前作も結構にイメージが違ったけれど、これもまたテーマが違う気がする。悪に満ちた物語が、希望に昇華されていったように思える。 名前もない意味も無いただの女児から、ソーヴァズ、アズュリアス、アトメへと成長していくアズュラーンと人間の娘の生の軌跡を描いた本。
2012/02/02
まぬけのまりこ
上下まとめて。平らな地球シリーズ第4作。アズュラーンの娘の転変する人生。有限の生の無限性を謳っているようにも思える。前作までの登場人物総出演で、そこも嬉しい。見限られた方が幸いなんだけれど「アズュラーン様捨てないで」とすがりたくなったりもする。最後がまた、泣ける。
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