剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3)
剣の輪舞 増補版 (ハヤカワ文庫 FT カ 2-3) / 感想・レビュー
sin
先に読了した『剣の輪舞』の〈増補版〉、新たに短編が3編収録されているということで、主人公の二人のその後が気になって、3編ともなかなかの作品でした。特に「公爵の死」はなんとも切ない。
2013/06/22
藤月はな(灯れ松明の火)
登場人物が多くて混乱しながらも読み続け、華やかに振舞いながらもきな臭い貴族たちの陰謀劇やまさかの人物の正体に「おおっ!」とうめいてしまいました。アレクとリチャードの依存関係のように見えて対等な信頼関係が素敵です。だからこそ、最後の短編には切なくなってしまいました。
2011/06/08
olivegreen
リチャードとアレクは言葉よりも行動で愛を示すタイプなのかな、と。だってストーリーの大半はお互いがお互いを思って(行動して)展開しているんだもの。退廃的な世界観にすごく魅かれた。二人の出会い、その後、リチャードの素性など書かれない、明かされないところ、そういう余白の部分がかえってこちらの想像を掻き立てる。短編三本にこの作家さんの底力を見た!
2010/10/14
モルテン
一風変わったファンタジー小説。貴族社会の〈丘〉と、下町・スラム街のリヴァーサイドを抱える〈市〉が舞台。貴族の陰謀・愛憎・策略と、それに巻き込まれる(?)剣客。剣客の恋人の謎の学生。二人の物語──。というより、群像劇と言ってもいいくらい。貴族やスラムの人々が細かに描かれていて、最初こそ取っつきにくかったものの、途中からその世界に浸ってしまった。豪華で重々しいのに乾いた筆致と、噛み合ってるんだか合わないんだかの会話が変わっていて面白い。
2017/03/11
小雪
読み終えるのが惜しいと思える作品と久々に出逢えた!中盤までは翻訳もの独特の読みづらさで気が削がれたけど、リズムを掴んでからは速かった。展開が気になってグングン引き込まれる。キャラが立っててどのシーンも見逃せない。息もつかせぬ法廷の様子と、リチャードがアレクを着飾って悦に入ってるシーンが好き。沸点のわからないアレクの高飛車振りも、慣れると神経質な猫のようで可愛く思えた。2人の出会いや日常をもう少し読んでみたいな。
2009/11/05
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