本邦東西朝縁起覚書 (ハヤカワ文庫JA)
本邦東西朝縁起覚書 (ハヤカワ文庫JA) / 感想・レビュー
しんこい
歴史系SFがメインの短編集かと思えば、HE・BEA計画は南北格差、極冠作戦は地球温暖化がテーマ。70年代に温暖化で平野が水没した地球を描いて、警告している想像力がすごい。一方で600人乗り、バーラウンジ付き、ファーストクラスはフルフラットの"777"という航空機が登場しますが、現実がやっと追いついたか。
2014/02/23
四不人
本棚整理中に発掘。新型コロナ騒ぎで『復活の日』の預言性が再評価されているが、本作の中の「極冠作戦」の先見性も素晴らしい。温暖化をめぐる社会情勢を予測した作品は他にもあろうが、温暖化による人類の精神への影響を指摘した作家は他にいないんじゃないかな。それにしても、彼の興味の焦点の一つは「生物の適応能力」にあるんだなあ。さあ、「静寂の通路」と「アダムの裔」はどれに収録されてたんだったか。
2020/04/19
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