奇妙な妻 (ハヤカワ文庫 JA 49)
奇妙な妻 (ハヤカワ文庫 JA 49) / 感想・レビュー
スターライト
昭和35年~45年までにかかれた短篇集。標題作をはじめ何篇かは既読だが、こまかいところは忘れているので初読の感覚で読めた。サラリーマンが主人公のものが多く、日常生活の中での人物・景色の変化がもたらす不思議な感覚を味わえる。「ピーや」は別格として巻末に配された「信じていたい」が興味深い。というのも作者の赴任した岡山県和気町日生町(現・備前市日生)が舞台となっているからで、昨年の眉村の「聖地巡礼」ツアーに参加したことで作品に描写されている町の様子が生き生きと脳裏によみがえるのだ。この作品を読めたのは収穫。
2024/03/18
ぶうたん
よく覚えていないが、多分初読だと思う。一読してクオリティの高さに舌を巻く。最近出た竹書房の文庫は本書を増補したもののようだが、なるほどこれは傑作短篇集である。ほとんどの作品はSFと言うより綺想小説や幻想小説の類で文学的な香気も高い。おそらくはその辺が、今読んでも古さを感じない大きな理由だと思う。バラエティに富んでいるので人によって気にいる短編は異なりそうだが、何度も読みたくなる作品集であることは間違いない。
2024/02/25
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