狐と踊れ (ハヤカワ文庫 JA 142)
狐と踊れ (ハヤカワ文庫 JA 142) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
表題作を含め、著者の初期作品6篇を収める短編集。「狐と踊れ」は、神林長平のデビュー作。1979年の作品だ。現在の神林の原点がここにあったのかと思うと愛着がわく。しかも、ここでのテーマや語りの方法は、その後の神林の本格SFに発展していく素地が十分にあったように思う。情景の持つ閉塞的な空気感もすでに作者固有のものであり、孤独と絶望と喪失感は深い。そして、その硬質な抒情も捨てがたい。また、傍流でありながらも人気の高い「敵は海賊」の第1作も入っており、こちらの軽妙な語り口も、これはこれで楽しめるだろう。
2012/12/06
ネムル
デビュー短編を含む短編集、なんとも初々しい。と思ったら、この数年後にして既に多くの大傑作を描いてるんだよな
2013/06/17
まりこ
再読。最近、胃の調子が悪いので読みたくなった。野生の胃は強靭そうだ。
2010/03/01
ペペロニ
「忙殺」が1番面白かった。人間では対抗できないスケールの存在に翻弄される話は好き。「敵は海賊」のシリーズの方を先に何冊か読んだことがあるけど、この短編の時から軽く読める雰囲気は健在。
2014/08/30
クローカ
小説。SF短編集。こちらは旧版ということで、「敵は海賊」の方が収録されています。全6編、前半は軽SF、後半は重SFと眉村さんが解説で言っていましたが、なかなか面白い表現だと思いました。神林作品を読むのは2冊目ですが、ハードボイルドでありながらコミカルな語り口がとてもチャーミングで良かったです。「返して!」の短くもドキリとさせられる感じが好き。
2011/02/23
感想・レビューをもっと見る