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言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173)

言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173)

言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173)

作家
神林長平
出版社
早川書房
発売日
1983-06-29
ISBN
9784150301736
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言葉使い師 (ハヤカワ文庫 JA 173) / 感想・レビュー

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里愛乍

「人が言葉を使うんじゃない。言葉が人を使っている」と仰っていた池田某さんを思い出した。実際、確かにアタマに思う言葉や文は、口に出したり書いたりしてみると、まったくニュアンスの違ったものになっていることが多々ありまして、さてどちらが本当なんだか自分でも分からなかったり。増殖とは言い得て妙、こういう話は大好きです。愛すべきマリオネットたちを操るのは、果たして書き手か言葉なのか。ところで、つい最近読んだばかりだから仕方ないけど、例のスプレー缶はどうしてもユービックを連想してしまいますね。

2014/09/16

sputnik|jiu

SFとは、目的ではなく手段なのだと時々痛感する。この間読んだ山田正紀の処女作は、「語り得ないものを語る」という、ある種の思考実験的な小説だったけれど、つまるところSFとは、現実の論理を通しては描くことのできないものを描く試みであり、フレームワークなのかもしれない。この思いは、神林長平の作品を読む時、よりいっそう強くなる。

2013/06/03

紫伊

他の作品からも感じていたけれど、言葉への追及がすごい。突き詰めていけばいくほど奥が深いと思う。言葉への追及から、ホラーまであり、理解が追い付かないものもあったが心に残る作品が多かった。一番残ったのは表題作「言葉使い師」。「言葉はきみの脳の中に独自の回路を作る」「言葉は単にきみを感動させる媒体などではなく、なんども言うように、それ自体が意識を持った生き物なんだ。それは化石のようなものだから。書くときだ。言葉が独自の意思で動き始めるのは」など、納得したり作者の物語への想いが伝わってきたりした。

2016/04/26

JACK

△ 神林さんの第2作品集。社会秩序を乱す元凶である言葉によるコミュニケーションが禁止され、テレパシーでの意思疎通のみが許される世界で言葉を操る男を描く「言葉使い師」、画家と火星の生きた岩との対話を描く「スフィンクスマシン」、恒星間の移動に挑む夫婦の数奇な運命「愛娘」、肉が工場で培養される世界でどんな肉も舌で判別出来る男が食べた肉の謎を描く「美食」、飛行機で墜落した男が退化した人類と進化したイルカと出会う「イルカの森」、不死を手に入れた人類を描く「甘やかな月の錆」を収録。難解で面白さが良くわからなかった。

2014/04/19

さい

表紙に引かれて読みました。SF短編ということで不思議な世界観の話が多かったです。読み終えてから本の発行日を知りビックリ。30年以上前の本なのに古さを感じずに読めました。

2018/06/18

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