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プリズム (ハヤカワ文庫 JA 227)

プリズム (ハヤカワ文庫 JA 227)

プリズム (ハヤカワ文庫 JA 227)

作家
神林長平
出版社
早川書房
発売日
1986-08-01
ISBN
9784150302276
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プリズム (ハヤカワ文庫 JA 227) / 感想・レビュー

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催涙雨

「世界から完全に阻害された、絶望的で、だけど少しだけ甘美な味のする孤独な実在があり、人ならぬ機械の思考をどこまでも精確にシミュレートする論理があり、現実と虚構が侵犯し合う恐怖があり、言葉とは、想いとは世界とは何かという形而上的な問いがある(解説)」今年読んだなかでは今のところいちばん好きな作品。「ルービィ」までがそれとわかる繋がりをもった連作で以降の短編も世界観を共有する連作短編集。エピソード単位では「TR4989DA」がもっとも面白かった、というか好きだった。シリーズ化されていたら全部読んでいたと思う。

2020/04/22

里愛乍

浮遊制御体に管理された近未来SF小説。この管理システムに認識されない少年の話から始まって、短篇集かな…と思いきやそれぞれの短編は全て繋がっていた―――そもそも在ると無いの認識は、「在る」から「無い」が「在る」のであって、最初から存在しないものは「無い」ですらない。エピグラフの「あなたがいて わたしがいる」の流れは、全体を通して見事にラストまで導き出されていったと思います。

2014/10/15

ヒロユキ

紡がれる言葉たちによって、今いるこの世界と虚構の世界とが入れ代わってしまうのではないか…と不安にかられる今日この頃…皆さんいかがお過ごしでしょうか?『わたしは想う、だからわたしはいる。…あなたを想う、だからあなたがいる。…あなたに想われて、わたしがいる。』

2013/03/03

アルビレオ@海峡の街

kindle版を読了。神林長平作品、実は初読み。どうも私はファーストチョイスを誤る傾向にあるみたいだ。と言うか「幻想系」に免疫がなかったせいだろうか、どうも話が抽象的過ぎて日本語を読んでいるのに頭の中は???だった。という訳で非常に感想が難しい。連作短篇の体裁だが、それぞれの話が繋がっているのかいないのか、それもあやふや。色、想い、言葉これらが物語の重要なポイントになってはいるのだが、著者独自の世界観について行けず何とか読み終えた。好き嫌いがはっきり分かれそうな作品。

2020/09/11

ネロ

とても刺激になる作品でした。読み終わるのが勿体なくて、ゆっくり丁寧に読みました。神林さんの作品はアニメで雪風を見たくらいだったので、ハード系のSF作家さんだと思っていましたが..確かに世界観はSFなんですが、かなり哲学的な問いかけの内容が多かったです。世界から完全に疎外された、絶望的で孤独な存在、機械の思考をどこまでも精確にシュミレートする論理、圧倒的な筆致で描かれた異世界の幻想的で美しい風景、現実と虚構が侵犯しあう恐怖、そして..。言葉とは、想いとは、世界とは何なのかという形而上的な問いかけに終わります

2012/12/21

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