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完壁な涙 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-10)

完壁な涙 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-10)

完壁な涙 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-10)

作家
神林長平
出版社
早川書房
発売日
1990-05-01
ISBN
9784150303228
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完壁な涙 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-10) / 感想・レビュー

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藤原

読み始めてすぐに分かった。「あ、これ訳わかんねぇ方の神林だ!」(失敬)。絶対殺すマン戦車と終わらない戦いを続ける感情の無い男の話。砂漠、死者の町、現代都市、ゴーストタウン。様々な時空が目まぐるしく入れ替わり、さして長くもないのに大ボリュームに感じられた。死者の町の世界観が好きだな。いまひとつ分からないなりに思い切り楽しめたし、ラストシーンはタイトル通り、まさに完璧な涙でとても美しい。

2019/04/12

陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き

大事にゆっくり読もうと手に取る一冊。空白を埋めたい気持ちは宥現にもわかった。だが過去と現在が連続している必要は感じなかった。名乗る時の干上がった海の海、の説明。目薬の涙の優しさ。恩田陸常野物語の哀しさに通ずる。そのように生まれたのなら、そのように生きることだ。悲しみはわからないが悲しませたくはない。一変、それの完璧なる行動と反応の美しさ。これもまたAIとloTの先の未来か。感情のない宥現とのリンクかと思いきや。ルールによるそれの行動原理と無感動症の宥現の対比が見事。電気羊は夢を見るのか。若しくは巨神兵。

2016/01/14

白義

理論的で、そして荒々しい衝動性も兼ね備えた一級の時空SF。神林長平作品の中でも理論は難解だと言われていて、そして舞台もしょっちゅう流転するが、実は根幹で起きていることは単純だ。未来と過去という次元そのものの領域戦争。その余波により起きる混乱し、破綻した時空。死者が対峙になり、過去も未来も同居する幻想的な風景は全てそのたった一つの戦争の反映に過ぎない。そこで感情を求める、感情なき男と、彼の運命の女であるヒロイン、そしてこの小説における現実の象徴である「それ」こと戦車。時間と感情を結びつけた完璧な結末が最高だ

2019/01/05

シタン

感情を持たない少年と戦車。幾度となく邂逅する女性。幻想的であり妙にイマジネーション豊かなシュールな情景が続くため最初はなんだかよくわからないが、読み進めていくごとに思わぬ展開を見せ、驚愕の事実が明らかとなり、超絶スケールの大きい時空SFへと変貌する。感情というものについてここまで考えたことはなかったので非常に驚いた。そしてそのメインアイデアに対して、序盤からかなりの伏線が貼られていて脱帽。解説にあるように、完璧なSF小説といって良いでしょう。

2024/08/12

ひみーり

時間と空間の法則が乱れる。上級者向け

2023/02/11

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