過負荷都市 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-19)
過負荷都市 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-19) / 感想・レビュー
どんまいシリル
カフカの変身は衝撃的な作品だったなぁ、と思い出しつつ、こちらは実に明るい不条理の世界。理解を超えて、楽しく読めて良かった。
2014/12/24
イツキ
クォードラムというマシンが人類全てを管理する世界が舞台。唐突に人間が与えられた役割に沿って生きているだけなのではないかと感じた少年が殺人鬼になりたいと思うところから始まります。自分が思い通りにではなくあくまで役割に沿って生きているだけ…と言う感覚は現実でもあることですが、この世界では疑問を覚えてしまいうまく自分をコントロールできなくなるとその感情のままに世界が変わってしまうというのがとても面白かったです。
2016/02/27
シャル
クォードラムによって管理された社会、主人公は高校生という『役割』を演じているだけにしか過ぎないと気付き、それらへの破壊衝動から『創壊士』となる。そしてガールフレンドや古くからの知り合いである整備士と共に、いくつもの破壊と創造に挑んでいく……。理解を拒むかのような不条理と、その中で答えを探そうとする創壊士たち。人間のあり方やそれぞれの役割をどう捉えるかを考えさせられる。
2012/12/27
Tふれどりっち
作者の神林がよく使う題材の一つ『思い』。この本は神林が描き出した夢、異次元であるが、作内にでてくる登場人物達にとってはこれが現実である。主人公達の思いを神林がクォードラムのように制御するが、物語は言葉は勝手に走りだして過負荷となり溢れだす。そこで私達読者はその別次元の世界である本に入り込み、これを体験する。本を閉じた時には僕らの現実が待ち受けていて、神林のだけではなく、『本』というのはいろいろな思いが創りだした一つの世界だということに気付かされる。
2015/10/07
ちぃ。
心地よいジュブナイルSF。世界観が集合的無意識のツボを突いてきますね。
2022/02/11
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