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たまご猫 (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-1)

たまご猫 (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-1)

たまご猫 (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-1)

作家
皆川博子
出版社
早川書房
発売日
1998-01-01
ISBN
9784150305949
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たまご猫 (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-1) / 感想・レビュー

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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

青昏れの猫が透明な卵の中で、ゆたりとくつろいでいる。 猫の腹の空洞には全部が匿われていて、蠱惑的な色彩でゆらめいている。 雪、蝶、花弁か。それは渦を巻く。目眩を誘い込む。 卵の正体を知ろうと女は感覚器を研ぎ澄ます。 記憶の束が煌めき女は我に返った。 猫の封じ込まれた卵は真紅に昇華した。 女が卵を砕くと時間は裂け巨大な瞳孔が拡がり窓が開いた。  ☆5.0

2021/01/22

勇波

冒頭の『たまご猫』でいきなり皆川必殺パンチを喰らい、覚悟を決め直して読む。油断すると物語に絡め取られるので皆様ご注意を。。夢なら覚めるし、内容も忘れますが、この物語の悪夢は中々覚めませんぞ★

2016/06/03

藤月はな(灯れ松明の火)

再読。ままならぬ女性労働者の悲哀を描いた表題作は一見、フェミニズム小説にも取れそうである。だが、ラストで幻想へと引っ繰り返す手腕が鮮やか。猫は獲物を仕留める前に甚振り、嬲るというからこの物語自身、神の視点から人間を見た物語なのかもしれない。「をぐり」の生きながらにして殉じる壮絶な覚悟が矢張り、好きだ。そして自身の献身を声高々に訴える者の不信を抉り出す「厨子王」。「朱の檻」、「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」、「雪物語」、「骨董屋」は時間が捻じれたSF・幽霊譚の両方にも取れるので一粒で二つ、美味しい。ご馳走様。

2024/07/28

mii22.

別の本からの関連で、表題作「たまご猫」だけ再読するつもりが、結局10篇とも読了。どのお話も後半にかかると時間や場所がねじれていくような違和感を感じる。気がつくと、私は片手にナイフを握っている。怯えるわたしの足もとはぼやけ、見ている風景がさっきとは違っていた。いけないところに連れていかれそうになり、はっとする。これは夢なのか、誰か教えてほしい。

2018/01/11

財布にジャック

怪奇、幻想、不条理、耽美・・・皆川さんの仕組んだ狂気の罠に酔いしれてしまいました。10ある短編の中で特に僻地の旧家に飾られた妖しい雛人形が出てくる「春の滅び」と座敷牢が舞台の「朱の檻」がお気に入りです。

2010/09/08

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