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魂の駆動体 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-25)

魂の駆動体 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-25)

魂の駆動体 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-25)

作家
神林長平
出版社
早川書房
発売日
2000-03-01
ISBN
9784150306342
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魂の駆動体 (ハヤカワ文庫 JA カ 3-25) / 感想・レビュー

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かとめくん

ある意味、人はただ生きながらえるのが目的ではなく存在の意義をどこに見出すかの物語でもある。まったく時間軸の違う二つの物語を結びつけるのは「クルマ」。自作のクルマに乗ろうとすることが、閉塞感の漂うそれぞれの世界からの脱出法となるのだ。というわけで堪能しました。ところで、途中出てくる、自動車の構造についてはもとより、自転車の設計についての記述もほとんど理解できなかった。何気なく使用している道具も複雑な理論の積み重ねで出来上がっていることを再認識しました。

2014/05/31

まさのすけ

神林長平作品の中で、一番好きな小説です。もう何度読んだだろうか。 クルマを主題に置いた物語。私は正直クルマには殆ど興味がないのですが、この小説は大好きです。 自分が求めるものを登場人物たち創っていく過程は、さぞかし充実した素晴らしい体験なんだろうなぁ。 三部構成で、第二部未来編は、かなりぶっ飛んた舞台に移ります。 これを読むと、バイクか自転車で目的地も決めずに走りに行きたくなります。(私はクルマ持っていないので) クルマが好きな人にも、そうでもない人にももっと読まれて欲しい作品。とても、とてもお薦めです。

2022/07/11

チョモ

暴走老人リンゴ泥棒の巻。"自動車"ではなく"クルマ"。作中繰り返し強調される対比には、著者の思いが込められている様な気がします。前半の老人達の生き生きとした描写、闊達な子安と<私>の遣り取りは、読者の自分も昂ぶってきたりv コミカルな一部と哲学的な二部、共通するのは生に対する問いかけ。若輩者には、奥が深すぎる難問ではあるけれど(>_<) クルマが疾走する解放感、確かに感じました。子安と<私>のクルマは完成したのだろうか…? 二人の相談する声が聞こえます。「フムン」「それで次はどうするんだ?」ってネ(^^;

2013/01/02

どんまいシリル

人生は「限りがあるから楽しい。」年をとることは「時間の蓄積、データの量が多いというのがいいんだ。」…とポジティブな発言が心地良い。反面、「意識」と「魂」については、これでもかと語られ、車にいたってはマニアックな事この上ない。そして、猫。この人の作品に、どんどんはまっていく。「魂」がとらえられてしまった感じ。次は何を読もうかな。

2014/10/05

シタン

ものづくりの精神を駆り立てる大傑作。物語の前半の舞台は近未来、謎の林檎狩りから始まる。主人公は意識を仮想空間に飛ばすことを拒否し、自動車(完全自動運転車)が既にある中であえてかつての“クルマ”を設計することになる。後半は遠未来、人類は滅び翼人が生活する世界。人類の文化を研究するキリアは遺跡でクルマの設計図を発見し、人造人間と共にその設計を開始するが…。二つの時間軸からなるストーリーは秀逸で、最高の結末が読者を待ち受ける。 設計とは何か、創造とは何か、日本人の性質など思索も冴え渡る。そして、人生とは……

2024/06/30

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