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目を擦る女 (ハヤカワ文庫 JA コ 3-1)

目を擦る女 (ハヤカワ文庫 JA コ 3-1)

目を擦る女 (ハヤカワ文庫 JA コ 3-1)

作家
小林泰三
出版社
早川書房
発売日
2003-09-01
ISBN
9784150307363
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目を擦る女 (ハヤカワ文庫 JA コ 3-1) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

「見晴らしのいい密室」という改題と短編の並び替えで再版された作品ですが笹井一個さんのイラストが好きなのでこの版で読了。表題作はくるりくるりと廻る妄想か現実か分からなくなる所に眩惑。人類のために自らの幸せを半ば、諦めて起きずに夢を見続ける女は不吉な予言は当たるが信じて貰えないカッサンドラのよう。「刻印」は蚊型宇宙人とのラヴストーリー且つとあることへの証明というとんでもない発想で度肝を抜かれました。「予め予定されている世界」は厳格的決定論の変形で「脳喰い」がこの短篇集のテーマを濃縮しているように思えます。

2013/07/11

★YUKA★

表題作の『目を擦る女』、『刻印』が面白かった。他の5編はちょっと読みづらく、苦手でした。ハードSFというジャンルなのですね(゜゜)

2016/12/18

koma-inu

ファンタジー、SF、小ネタミステリなど、色々含んだ7短編集。ホラー色はやや薄め。まず独創的なタイトルと表紙が目をひきます。イチオシは「刻印」。エイリアンが侵入した日本の話。主人公はエイリアンである「等身大の蚊」と出会い、やがて恋に落ちる・・。という、あまりにもバカげた展開。「僕はトイレを開けた。トイレの中に等身大の蚊がいた。僕はすぐさまドアを閉じた。」というシュールな出会いが素晴らしい。オチもなかなか笑える内容でホッとします。

2024/05/05

みや

SF寄りのホラー短編8作収録。この著者が生み出す「歪んだ人」がいつも大好き。今回もゾッとする薄気味悪さが最高に心地よかった。自分はずっと眠って夢を見ていると言う女の隣家に引っ越した表題作と、算盤の計算によって構築された仮想世界で女性が電子計算機で計算をする『予め決定されている明日』は特に女性の静かな狂気が巧みに描かれている。面白すぎて読みながらニヤニヤした。トイレの中に等身大の蚊がいる『刻印』も好き。こんなにも純粋な人外との恋愛なのに、ビジュアルを想像すると吐き気を催す。『脳喰い』のグロエイリアンも良い。

2020/06/27

紫伊

綺麗なロジックと絶妙な気持ち悪さ。短編で切れにまとめられている中にしっかり練り込まれていてとても面白い。好きなのは「目を擦る女」、印象深いのは「刻印」。「目を擦る女」は妄想と現実が入り乱れどちらの世界なのかわからなくなりどろどろした気持ち悪さとラストすっと綺麗に筋道が通るのが好き。「刻印」は好きな要素である人外の恋愛も相手がこうなるだけで一気に気持ち悪くなるのだなと思った。愛なのだ、でも…。オチの付け方がとても好き。これらの気持ち悪さがとても好み。

2020/07/21

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