スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))
スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800)) / 感想・レビュー
里馬
多重人格とは程度の問題で、案外だれでもロールプレイしているものだと思う。オンラインでなくとも人格を使い分ける事はままある。案外無意識であるから、違う派閥を合流さすと、あれ、お前そんな奴だっけ?と白い目で見られる事がしばしば。女の子に好かれる過程が無理繰りで、桜坂さんは本当にネットの住人なんじゃないか?と思ったし、面白いのかつまらないのか分からない本だった。格ゲーをやってみたくなるものの、コマンド憶えるの嫌い。あ、スマブラのピカチュウは好きです。
2009/09/15
kariya
クリック1つで別の人間に。大学生のぼくは、オンライン格闘ゲームのテツオとして夜ごと対戦を繰り返す。彼女一歩手前の女子もいるのに、現実もゲームもどちらもリアルではなく、でもどちらもリアル。モラトリアム男子の自己探求物かと身構えたが、主人公の性格が過剰にネガティブではないので爽やかな気分で読み終えた。全感覚を体感できる近未来型でなく、わざわざポリゴンの画面というSFとしては古い形で、ゲーム世界を描いたのが面白い。ささやかな冒険と成長(と恋愛未満)の、ありふれているようで少し風変わりな青春小説。
乙郎さん
サマーウォーズの最終上映を観た後に読む。リアルとゲームを行き来する視点。面白かったけれどあくまでもテーマはコミュニケーションであり、あくまでもその手段としてゲームをもちいているに過ぎないのでガチガチのネトゲユーザーには届かないだろうなと思った(いわゆるネトゲ廃人の歪んだ倫理観をあからさまにする小説があったら絶対に読むのに)。テーマとしては、互いに理解するということは他者に関心を持ち様々な価値観を受け入れることだというところに着地している。
2009/09/11
ふりや
オンラインでの対戦格闘ゲームに耽溺し、最強のプレイヤーを目指す悦郎。現実世界では大学生の彼は、ふとしたきっかけで同級生の布美子と出会い、付かず離れずの仲に。リアルとバーチャルの狭間で揺れる主人公の成長を描いた青春物語。今でこそオンライン上で見知らぬ相手とゲームで対戦なんていうのは当たり前の光景ですが、この作品が発表されたのは2005年。今読むと絶妙に懐かしい感じがして、2ちゃんねるやニコニコ動画に代わってTwitterとYouTubeが台頭してきた頃を思い出したり、時代の変化をしみじみ感じる作品でした。
2022/01/15
ソラ
内容(「BOOK」データベースより) Aボタンをクリック。ぼくはテツオになる―現実への違和感を抱えた大学1年の坂上悦郎は、オンライン対戦格闘ゲーム“バーサス・タウン”のカラテ使い・テツオとして、最強の格闘家をめざしていた。大学で知りあった布美子との仲は進展せず、無敵と噂される辻斬りジャックの探索に明け暮れる日々。リアルとバーチャルの狭間で揺れる悦郎は、ついに最強の敵と対峙するが…。
2010/07/16
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