零式 (ハヤカワ文庫 JA ウ 2-1)
零式 (ハヤカワ文庫 JA ウ 2-1) / 感想・レビュー
ミツ
いやぁ、熱い、熱すぎるっ!植民地化され、壁に囲まれた仮想日本。ディストピアじみた絶望の世界で孤独と怒りに囚われていた少女たちの成長物語。過剰なルビ振りやラノベラノベした文体から漂う青臭さに戸惑いつつも、だんだんとそのダサカッコよさが癖になり、最後にはその圧倒的な速度と熱量でもう細けぇことはいいんだよ!状態で読み終わっていた。歴史改変SFであり、メカニカルな萌えもあり、壮絶な殺陣あり、そして爽やかなラスト、正に男の子の好きなものをこれでもかとばかりに詰め込んだ作品。なるほど確かに好きです、こういうの。佳作
2014/08/25
ぜんこう
アンソロジーで短編を読んでた海猫沢めろんさんの本を初めて図書館で借りてみました。小松左京さんの「地には平和を」みたいな歴史と違う戦後のような話ですが、植民地というのもあるよなぁ、という感じ。ただ、かなりのスプラッター描写にはまいりましたが、話の最後は読むのをやめられませんでした。壮大ですけど、少女の成長物語…そんなきれいな話ではないけど。再読はしないだろうけど、読んでみて良かったです。
2018/01/19
しろ
☆6 爆裂的なスピードで駆け抜ける作品。退廃的な日本の雰囲気を持つ、皇義神國は帝国の植民地で、そこでくすぶりながらもバイクを駆る少女の朔夜がカッコいい。サイバーパンクの世界観に日本の雰囲気が融合して、濃密な空気をみせていた。そして、とにかく朔夜が爆走しまくる。世界にイライラしながらも、夏月との出会いや試練を乗り越えて、吹っ切れていくまでの成長が描かれる。展開もスピーディーなのだが、かなり崩された文体も加速を手伝っていたと思う。退廃的でもやもやすることもあるが、スカッとする作品だった。
2012/02/21
CCC
バカな…速すぎる…。ハッタリ感のある詰め込まれた要素や独自の文体も好きだが、何よりこの速度は本物だ。いやー、すごい。
2017/02/25
harass
積読本消化。いろいろ考えてしまう設定や体言止めとルビ付きの造語連発文体に苦笑しながら読み始める。サイバーパンク文体や古橋秀之などを連想すればいい。むせ返る青臭さとケレン味になんとか慣れてきて、途中からはまってしまった。強い「切実さ」と詩人的感性に共感してのめり込んだのだ。いろいろと荒っぽい部分があるがそれを上回る良いところもあった。ううむと感心しながら残りページが少なくなっていくのが残念に感じた。こういう読書は久しぶりだった。十代のころに読んでいれば聖典のように熱狂していただろうにと思った。
2013/02/17
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