銀輪の覇者 下 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2)
銀輪の覇者 下 (ハヤカワ文庫 JA サ 8-2) / 感想・レビュー
ティーチピー
背表紙のあらすじからは想像もできないほど(自分が自転車好きであることを差し引いたとしても)大変に面白い作品でした。スポーツ物としては「主人公たちはレースを通じて勝敗以上のものを手に入れた」というありがちな着地点なんですが、レースをとりまく政治的なやりとりや各選手の出場の動機なんかが、この作品を単純なスポーツ物以上に印象深くしているのではないかと思います。終章も数ページしかないくせに絶妙にスパイスを利かせています。これがあるのとないのとではかなり印象が変わると思う。とにかく手に取って良かった作品でした。
2013/10/04
向う岸
☆4 (上巻より続く)僕自身がロードバイク乗りなので、どうしてもロードレースものは点数が甘くなっちゃうなー。最初は個人が自分勝手に走っていたのが、チームの作戦を理解して無理に追いかけず駆け引きしたり、交互に風よけとなる先頭を交代したりと成長する姿はエキサイティング。ただ商業用の自転車でレースをする姿は想像できず、ツール・ド・フランスのような最新のロードバイクと装備で走る姿に変換してしまうけど。ちなみにペダルは漕ぐものではなく、回すものです。
2013/08/20
佐々陽太朗(K.Tsubota)
正直なところ、自転車レースの描き方にはやや不満が残ります。下関から青森まで本州を縦断するという壮大さには心惹かれるものがあるものの、自転車がレース用でない、出場選手の多くが一攫千金を狙った素人であるが故にレースとしての質が落ちてしまう。しかしこれも、昭和9年の日本という設定を考えればやむを得ないところか。逆に、出場選手の多士済々ぶりが、それぞれの背負う人生を描くうえでプラスにもなっている。レースの推移を物語の軸としながら、カットバックの手法で、レースに係わる人物の人生を活写するところに妙味がある。
2011/02/04
かきたにたくま
レースの緊迫感、きな臭くなるその周辺。(全てではないけれど)明らかになる登場人物たちの背景と、レースの速度にあわせて物語も速度アップして面白くなる。ロードバイクに乗っている人ならわかる緊迫感と爽快感が物語の中にあります。
2014/11/27
陽之理
自転車レースに参加しているそれぞれの事情を持つ男達が、過酷なレースを通じてだんだん心を一つにしてゆく。そういう感動の物語です。
2013/11/17
感想・レビューをもっと見る