姫百合たちの放課後 (ハヤカワ文庫 JA モ 3-3)
姫百合たちの放課後 (ハヤカワ文庫 JA モ 3-3) / 感想・レビュー
徒花
レズビアン・コメディという、個人的に初めて挑んだジャンルの短編集。おもしろかった。ただしポルノ作品でもあり、女の子同士の床風景の描写もしっかりじっくりねっとりなされているので、そういうのが生理的に受け付けられない人はやめとくべし。ギャグ色の強弱は作品によって変わるが、ギャグセンスも素晴らしいので笑える話のほうが楽しい。とくに冒頭の『姫百合たちの放課後』において主人公の純子を呼ぶ友人のセリフ「ぢゅんこーっ! ぢうんこーっ! ぢ・うんこーっ!」にはKOされた。ことほどさように下品な本。だが、それがいいのだ。
2016/02/26
黒瀬
すみません。終始コメディ調でとても面白かったのですが、これは男子禁制でございもした。ございもしたよ。 著者の方が「中身がアレなのに、装幀は美しいですね」と編集の方に言ったほどアホな(褒め言葉)短編集です。とにかくボケとツッコミの応酬がテンポ良く且つ秀逸で、終始R18なのにそれを感じさせない清々しさ。 唯一世界観が繋がっている巻頭二作品が特に好みで何度も「フフッ」と笑ってしまいました。本郷レイさんが不憫すぎる(笑) 飛行機が怖くて妄想が暴走する姉を羞恥に耐えながら必死に宥める妹も面白い。
2020/05/11
はらぺこ
短編集。百合コメディー。 『姫百合たちの放課後』と『姫百合日記』は絡みの描写が無いので深夜のアニメにすれば人気が出るんじゃないでしょうか。交換日記の遣り取りは普通に笑えました。『放課後の生活指導』は前の2つとのギャップでかも知れませんが1番エロかったです。 全体的に手足を拘束するパターンが多くて飽きましたが、チョット間を置いて読んだらエロかったです。
2015/01/08
姉勤
西日の射し込む校舎の裏に、「○○ちゃん」、「お姉さま」、な世界を覗いてみようと思ったら、○○(伏字)が必要な同性愛かつ、緊縛&各種オプション付きな官能短編小説集だった。かつ、ギャグが、諧謔が、パロディ、そして特殊設定が、ムラっ気より笑いの方が先だち(トリプルミーニング)、久々にイリュージョンを堪能した。設定も著者がベテランさんなので昭和テイストに溢れ、その点も含め、表紙の愛らしさに惹かれて読むと、撃沈の確度は上がる。巻末の私小説ならぬ私妄想の一編は、嗜虐の詩。唯一登場する少年は、童貞より先に貞操を失う。
2019/01/20
明智紫苑
私が読書メーターでのツイッター連携を解除した最大の理由であるお方の本。私はツイッターユーザーとしての森奈津子氏は苦手で、ブロックさえしている上に、森さんと敵対しているツイッターユーザーさんたちを何人かフォローしているのだけど、森さんの小説までは嫌いにはなれないのだ。ただ、18禁ではない内容の最初2篇は素直に好きだけど、露骨に18禁の一連のレズビアンSMは私の好みには合わない(ちょっとクド過ぎる)。これから再読する予定の『耽美なわしら』のような非18禁小説の方が面白い。
2020/05/07
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