Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集1 (ハヤカワ文庫 JA イ 7-4)
Running Pictures: 伊藤計劃映画時評集1 (ハヤカワ文庫 JA イ 7-4) / 感想・レビュー
里愛乍
伊藤計劃さんの彼独特の言葉によるこの時評集は、もはや自分にとって単なる映画紹介でも批評でもなく、ひとつのジャンルを超えた読み物となっています。辛辣で皮肉が効いていて、時にはクスッとしたりはっとさせられたり、結構厳しいこといってるようででもまったく嫌な気持ちにならないのは、ここに揺るぎない筋の通った意見と作品に対する愛を感じる事ができるから。奇しくも今、伊藤計劃の小説が映画となり公開中でありますが、彼ならどんな風に〝紹介〟してくれただろうか…なんて、そんな絶対にあり得ない不謹慎なIFを考えてみたりした。
2015/11/01
絹恵
劇場に足を運んで映画を観るということは、作品の内容はもちろん大切だけれど、それ以上にその空間・時間を楽しみに行っているところが大きいと感じます。だから原作ファンであるのか、それとも劇場化されて知るのかという立場の話でものを観るのではなく、純粋な好奇心に従うことで、作品に添うことが出来るのだと思います。ライフスタイルの一部であるからこそ、その取捨選択は彼をよく表していました。
2015/01/27
HANA
伝わってくるのは、まず映画への愛。そしてこれらが紛れもなく伊藤計劃作品であるということ。僕自身映画をあまり見ていないため、収録されている映画の一部しか知らないのであるが、それでもここまで愛情を持って紹介されると次から次へと見たくなってくる。同様に新しい視点、解釈から映画を見る事を教えられるため、見た映画ももう一度見たくなってしまう。あと本文の前に細字で紹介文があるんだが、これが時期を追うごとに小説の文体へ近づいて行っている。読みながら少し感傷的な気分になったので、ここに記する次第。
2013/05/17
ソラ
映画はほとんど見てこなかったので、この時評集を見てみたくなった作品が増えた。
2015/04/25
F
本書は著者が1997年から2000年の間にホームページに綴った映画時評をまとめたもの。後の著者の創作に影響を与えたであろう作品群へのコメントであり、細部へのこだわりなど、著者の映画、ひいては物語への美意識を窺い知れるテキスト群となっている。文体や後の作品へのテーマを掴んでいく過程とも読めて大変に興味深かった。それから余談だけど紹介されている映画のほとんどは観たことがあって、なんだかとても伊藤計劃氏を身近に感じることができた。あ、お話できたら面白そう、と。どうあっても叶わないことですが。
2013/01/30
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