開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4)
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-4) / 感想・レビュー
W-G
読みだしたらとまらない面白さは確か。締め括り方が思った以上に牧歌的だったというか、もうちょっと陰惨な方に踏み込んでいくのかと勝手に期待してた分、そこそこのところで着地したなという印象が拭えない。ネイサン・カレンのパートが特に面白く、前半の期待の膨らませ方はさすがの筆力。お嬢様との関係をさらに膨らませて、一気に叩き落としてくれれば、もっと好きになっただろう。ミステリ面で見ると、ゴロゴロ死体が出てきたり、稀覯本や性の倒錯など、ガジェットがてんこ盛りの割には一つ一つが最大限に効果を発揮していないような気もする。
2018/05/24
ヴェネツィア
18世紀のロンドンを舞台にした歴史ミステリーといった体裁をとる。18世紀としてのメルクマールには人体解剖や司法改革(実在したフィールディングを登場させている)といったあたりかと思われる。18世紀イギリス小説ではスイフトやデフォーが想起されるが、この小説内のムードはむしろディケンズの19世紀ロンドンか。ただし、残念ながらあれほどの空気感はない。物語前半に2つの時間軸を設定しているが効果は薄いか。また、ミステリーとしても緊迫感にはいささか乏しく、事件の解明及びその結末にも幾分不満を残す。
2020/11/27
そる
医学的?いや、ほぼミステリー。色々ごった混ぜ感強い。舞台はホームズと同じだが年代が100年前。ゆえ治安も人の心も衛生状態も悪く、読んでると心が荒んでくるが雰囲気好き。登場人物達のキャラいい!エドとナイジェル、まさか悪人?何をやった?どこまでホント?!とハラハラ。最後まで展開しまくる!おもしろい。「「つまり先生は、僕とナイジェルの才能を愛しているのであって、才を失ったら、生きていても無価値な者になると」「そう問い詰めないでくれ。率直に言えば、たぶん、そうだ」「子供だって、もっと模範的な回答をしますよ」」
2020/09/17
勇波
いきなり死体を隠しだす先生と弟子たちの描写にコメディを感じさせてくれます。解剖というグロテスクな内容に反して最後まで喜劇的な要素が随所に散りばめられているような気が。。続編があるのなら是非読んでみたい★
2014/10/01
nobby
まずは堪能させていただき光栄です♪読み友さん絶賛の嵐は文句なく面白かった!18世紀ロンドンを雰囲気たっぷりに描き、カタカナ名前もその個性からそれほど苦にならず。解剖教室で次から次へと死体が出てくる様と、夢抱えながら苦慮する青年ネイサンの視点が程よく重なり読み進める。後半からいくつもの事柄が二転三転しながら、哀しい結末へ向かうも何か違和感持ったまま…そして最後にやはり待っていた衝撃のどんでん返しに思わず拍手。これは近々続編行かないと!
2016/07/22
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