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エンドロール (ハヤカワ文庫JA)

エンドロール (ハヤカワ文庫JA)

エンドロール (ハヤカワ文庫JA)

作家
鏑木蓮
出版社
早川書房
発売日
2014-01-10
ISBN
9784150311445
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エンドロール (ハヤカワ文庫JA) / 感想・レビュー

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しんたろー

鏑木さん初読み。老人の孤独死に端を発する物語は、哀しい歴史や現在の問題点など考えさせられる部分が多く、段々と核心に近づいていくミステリとしての展開も悪くない。ただ、映画監督を夢見る主人公が薄く感じられる…家族を含めて「人を信じられない」という彼のバックグランドや心の変化をもう少し多めに書き込んでくれないと感情移入し難い。周囲の人物は魅力的だったし、最後の投稿文は心に残る名文と思えた。映画への熱い想い、戦時の尊い精神、人の生き方など、頷けるメッセージも多くて読む価値はあるが「惜しい」と思ったのが素直な感想。

2018/04/26

nobby

まず読了して素敵なタイトルの余韻に浸る。独居老人の孤独死、若くして戦場に散った生命、周囲から様々な見方がされても、そこには自分にしか分からないドラマがある。もう直接聞くことの出来ない人生を辿りつつ、自らの成長と夢への導きがされるのが心地よい。そしてエピソードに関わっていた人物や事象が明らかになる、それまさに誰もに示される『エンドロール』の如く。それぞれの生と死の意味に行き着くラストに安堵するも、その背景となった戦時中の狂気に心沈む…ここでまた知るカミカゼ謳った軍隊の信じ難い愚行に自国への羞恥は増すばかり…

2020/07/31

ちょろこ

涙の良作の一冊。孤独死した老人の遺品を手にした青年が彼の人生を紐解いていく物語。また一つ知る戦争という負の歴史。"伏龍"特攻隊。なんて愚かな作戦か…。実験、任務を遂行しようとする特攻隊の心中はいかほどのものか…文字を追う度、心に打ち寄せるのは涙の大波。そしてその時代を生きた人にしかわからない想いがあることを終盤に教えられた、見つめることができた良作だった。亡き人の真の心はわからないけれど、散りゆく誰ものあの瞬間が幸せだけを感じる終幕だったことを信じたい。そして平和の尊さを教えてくれたことに敬意を払いたい。

2021/08/10

紫 綺

ある独居老人の死に直面した青年、門川。映画監督の夢に挫折した、孤独な彼を突き動かすものは何か?老人の過去を遡りたどり着いた、衝撃の結末。「しらない町」改題文庫化。

2016/07/02

タックン

アパート管理のバイトをしている門川が独居老人・帯屋が一人で死んでるとこを見つけたとこから物語は始まる。遺品を整理してたら8ミリフィルムと意味不明なノートの走り書きが見つかった。その謎とは?孤独死・限界集落とか前半は現代が抱える問題用語のオンパレードで読むのにめげちゃったが、真相を掴もうとつる門川の熱意とその真相を知って涙した。そこには(永遠の0)のような戦争体験の秘密が。。そして最後の帯屋の投稿文がずしんときた。(エンドロール)って題名が上手かった。脚本次第では(永遠の0)より感動する映画になるかも?

2016/01/15

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