機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ツ 1-6)
機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上 (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ツ 1-6) / 感想・レビュー
のり
「ライザ」の過去が徐々に明らかになってくる。アイルランドの情勢不安の下、テロ組織IRFに…裏切りの血縁に縛られ苦悩する。全ては「キリアン・クイン」との出会いで動き出す。そして今、日本でIRFがテロを企てる。同時に中国の闇組織も絡みだす。それにしてもライザのおかれた環境は生き残るのが困難極まる。現在に至るも身内の特捜部からも距離をおかれるが、明晰な彼女にも変化が…下巻へ。
2019/12/16
ぶち
(再読)(完全版は初読)感想は下巻を読んでからまとめて.... 月村さんの小説は、アクションシーンの描写で読者を熱くしてくれるのですが、『土漠の花』『影の中の影』『香港警察東京分室』などに代表されるように、現実のシリアスな国際情勢を緊迫感あふれる描写で描いてくれます。読者は国際情勢を緊張感を持って意識することになります。私はこれこそが月村作品の真骨頂だと思うのです。この『自爆条項』でも北アイルランド紛争が取り上げられ、そこで繰り広げられたテロが遠い国のことではなく身近なものとして考えさせられるのです。
2023/09/05
おかむー
安定感のあるハードロボット警察小説第二弾。今作では元テロリスト・ライザの過去との因縁を軸に物語が展開する。『よくできました』。ライザの古巣であるアイルランドのテロリストグループが日本で画策するテロへの捜査と並行して、彼女の生い立ちからテロリストとなる経緯と離脱へと至る過去が描かれるが、この過去編がひたすら陰鬱で長い。物語上必要な掘り下げであるのは理解できるが、内向型のライザの鬱屈を延々綴られるのは正直肩が凝るばかりなのだ。現代パートでは前作と遜色ない面白さがあるのでそちらで救われている感触ですね。
2019/04/20
Sam
機龍警察シリーズ第2作。本作を読んで振り返れば1作目はどこか躊躇いが感じられる書き振りだったことがわかる。1作目が好評だったせいか、本作は躊躇いなく書きたいことを書きたいように書き切っている印象で、前作同様導入部分での掴みに加えてライザを中心とした登場人物たちがよく描かれているし提示されている謎も大きい。まだ上巻ではあるけれども一作目を上回る面白さであることは間違いと思う。すぐ下巻に突入します。
2021/10/12
くたくた
上巻読了。これは前作から時間を開けず、すぐ読むべきだったな。上巻終盤ではっきりと前作と繋がってきた。今作の主役はライザ。ライザが育ったのは北アイルランドの首都ベルファスト。強烈な暴力と侮蔑の中で育って、自尊心の在りどころを求めた結果は父の死。多感な10代の魂に過酷な刻印。そして現在の事件は沖津の言うが如く、まだ事態は中盤。チャイニーズマフィアとIRFが不穏に絡み、日本国内に潜入したテロリストを半減させながらも事態は悪化し、下巻へGO。沖津のしたたかさがいぶし銀のごとく光る。
2023/10/07
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