多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー (ハヤカワ文庫JA)
多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー (ハヤカワ文庫JA) / 感想・レビュー
ハイランド
ウルトラQやウルトラマンの世界を、当代のSF作家(一部ホラー作家おり)が描くアンソロジー。面白いのは同じウルトラワールドを描いても作者の味はそのまま残るということ。世界観の融合が妙な具合にハマる。ウルトラQも初代ウルトラマンもリアルタイムで観たテレビっ子第一世代には非常に嬉しい本。三津田信三も北野勇作もうまいこと自分の世界を展開している。山本弘のガラモンとピグモンの関係には唸らされた。田中啓文は、欲を言えばもうちょっとダジャレを効かしていただきたかった。それにしても、やっぱりユリちゃんは人気者だね。
2020/09/15
禿童子
7篇の短編は、幼少時にウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンのTV番組によって怪獣の魅力にとりつかれた作家たちのオマージュ。この設定にすんなりと没入できる世代は限られているかもしれない。とはいえ、シン・ゴジラなどの怪獣映画が作り続けられているところを見れば、ミームとしての怪獣や超常現象は依然として健在なのかも。三丁目の夕日のような懐かしい過去の残影と未来への不安。現在進行形のパンデミック下で読むのも一興。
2022/01/31
magurit
ウルトラQからマン、セブン、怪奇大作戦好きにはオススメ!そうそうMM9好きにもね(笑)。
2019/11/08
のりすけ
「多々良島ふたたび」ピグモンとガラモンの関係。他人の空似じゃなかったんだー。アンソロジーの中では「影が来る」「変身障害」「マウンテンピーナッツ」が好き。ルクスピグラは、ワオ、それなんかい!なオチが良かった。Qもマンもセブンも本当に好きでした。
2020/08/20
タルシル📖ヨムノスキー
山本弘さんは安定の面白さ。小林泰三さんの〝マウンテンピーナッツ〟は女の子がウルトラマンに変身して怪獣と戦う話だが、過激な自然保護団体に邪魔され結構シビア。藤崎慎吾さんの〝変身障害〟はモロボシダンがセブンに変身できなくなって心療内科に通院するという驚きの話。田中啓文さんは怪獣の〝足形採取師〟の話で、「文科省が『怪獣という言葉は差別的』と指摘して教科書では〝カイ獣〟や〝界獣〟と表記云々…」という一文に笑った。酉島伝法さんの〝痕の祀り〟は怪獣の死骸処理の話で、〝ウルトラマン研究序説〟にあったなこういうの。
2020/05/04
感想・レビューをもっと見る