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少年トレチア

少年トレチア

少年トレチア

作家
津原泰水
出版社
早川書房
発売日
2020-04-16
ISBN
9784150314231
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少年トレチア / 感想・レビュー

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森オサム

大作。奇想、幻想、夢想にエログロ。破壊、暴力の因果応報。音楽、映像、漫画等芸術の力。友情、家族愛もほんの少々…。物語を通した主人公がいない群像劇は、そのテーマが良く分からない程あちらこちらへ飛びまくる。トレチアかマカラ、どちらかに絞ってサスペンスか幻想小説にしてくれれば、もっと読み易くて楽しめたと思う。ホントに、いくつかの短編を基に、泥沼の上に手に負えない長編を積み上げた様な作品に感じた。ただ、作者の情念は伝わる。正直このタイプの小説がバカ売れして大金を生むとは考え辛い。でも書かずに居られないんだろうね。

2021/01/13

冬見

恐ろしくて、気味が悪くて、吸い込まれるように一気に読んでしまった。物語の深い泥濘に足を取られ、引きずりこまれる。あるいは物語が現実世界を侵しているのか。いずれにせよ、読んでいるうちにどんどん現実との境界が曖昧になってゆく。これはほかの津原泰水の作品にも言えることだが。水をたっぷりと含んだ沼の上に築き上げられた都市。都市を漂う巨大な怪魚と伝承される謎の少年のイメージは世界を徐々に歪ませてゆき、やがて破滅をもたらした。本を閉じると頭は白い靄がかかったようだった。夜の暗闇を、そこに潜むなにかをわたしは思い出す。

2021/02/08

miroku

めくるめく読後感

2020/10/14

ソラ

雰囲気は良かったんだけれど個人的にはもやっと終わった感じが…。

2020/06/13

ふくしんづけ

〝緋沼サテライト〟で多発する殺人及び暴行・失踪事件、その背後で子どもたちのあいだに語られる〝犯人〟トレチア、都市の水底に時折垣間見える巨大な怪魚。そんな個々の要素が非常に魅力的なのだが、残念ながら好きじゃない。作者の端正な、ひねていると感じさせるほどの文章も、今回は物語をストレートなホラー展開に導かず煮え切らない感じ。この作家に限っては、長編ではライトな作風の方が好きかもしれず、初期作で比較的好きだったのは『妖都』くらい。〈サテライトって大きなお魚の夢なの〉の部分が一番惹かれる。

2021/12/08

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