歌おう、感電するほどの喜びを (ハヤカワ文庫 NV フ 2-8)
歌おう、感電するほどの喜びを (ハヤカワ文庫 NV フ 2-8) / 感想・レビュー
春が来た
私は今どこにいるのだろう。錆びつきそうなこころ。自分の名前ももう忘れてしまった。交換した眼球には度の合わない眼鏡。乾いてしまった骨。遠い夜明けにはキューキューという音だけが響く。八月の島々への誘い。銃は歯車に挟まって、閉じた天井。置いていかれた銀河の片隅。私は今どこまで来たのだろう。目まぐるしく変わる紙上の景色に酔いしれる。感電した感情の音鐘。言葉の呼吸に合わせようにもズレていくハミング。それでも、きちがいじみて歌おう♪指で捲る喜びの風に吹き飛ばされないように。
2019/05/13
redbaron
50円(税込)で本書手に入るなんて、たまには良いこともあるもんだ…本の感想じゃないわいな。本書の題名となっているAI(かな?)の話。なんだか温かい感じが好き。『大力』のなんとなく不気味な感じが好き。
2015/05/20
zumi
一人英米文学祭り、7冊目。「キリマンジャロ・マシーン」「明日の子供」が良い。
2015/10/02
あお
ニコラス・ニックルビーの友はわが友が素晴らしい。「ふたりできちがいじみるのは、すてきなことです。」これは僕の胸にひどく残った。この短編には汽車が出てくるけど、レイ・ブラッドベリの作風に汽車はすごい合う。郷愁とか哀愁とかを彼の小説を読むと感じてくるからだろう。
2014/12/08
ニミッツクラス
文庫化された89年の初版を読んだ。18編から成る81年の単行本「キリマンジャロ・マシーン」を2分冊した内の8編を収録。途中まで読んで、あれぇSFじゃないのかなと思って背表紙をみたらNVだった。私の本棚だと幻想・奇譚になる。表題作は良いのだけれど、少し長いような。「ニコラス・・」「ロールシャッハ」はどんなオチかとワクワクしたが・・ブラッドベリだね。「火星の失われた都」・・こういうのを書かせたら正に真骨頂。脳ミソに喰い込むかスルーするかを代弁してくれた萩尾望都氏の解説が良すぎて読後安眠できた。★★★★☆☆
2013/01/23
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