ゴースト・ストーリー 上 (ハヤカワ文庫 NV ス 12-1)
ゴースト・ストーリー 上 (ハヤカワ文庫 NV ス 12-1) / 感想・レビュー
あたびー
#日本怪奇幻想読者クラブ ゴシック調の道具立てで語られるモダンホラー。ニューヨーク州北部の街ミルバーン。上流階級の爺さん5人が集まって怪談を楽しむ「チャウダー協会」。話の時間軸が前後して多少混乱させられるのを整理すると、会員の作家エドワードが新進女優を連れてきたパーティーの最中頓死。残りの会員はエドの甥で怪奇作家のドンを会に招き話をさせようとするが、その後会員の一人が不審な飛降り死。その葬儀にやってきたドンが自分と亡き兄に関わった妖婦の話しを綴った日記を記す所で上巻の終わり。
2020/08/15
ぐうぐう
スティーヴン・キングのホラー評論集『死の舞踏』には、キング自身が選んだモダンホラー十選があり、その最初に出てくるタイトルが本書である。『死の舞踏』は1981年に刊行されており、ピーター・ストラウブとの合作『タリスマン』が発表される2年前のことだから、キングが十選に『ゴースト・ストーリー』を指名したのは、忖度があってのことではまったくない。が、本作の出来の良さが『タリスマン』合作の動機であっただろうことは、想像に難くない。それほどキングは、『ゴースト・ストーリー』に惚れ込んだのだ。(つづく)
2018/04/07
藤月はな(灯れ松明の火)
冒頭から前世の記憶があると認識した少女を誘拐した主人公の視点から始まるので「こいつ、頭がおかしいんじゃないの?」とドン引きしつつも読み進めるとその認識はがらりと変わります。ホラー、怪談を持ちより、語る会のメンバーが自殺、殺人教唆、事故によって次々と死んでいく。そこには主人公の兄が死ぬきっかけともいえる、主人公も破滅しかけたある一人の女の存在があった。「伝染する邪悪な存在」と認識されていたグレゴリーの関係者からの話は「ねじの回転」を思い出す怖さがあります。どことなく、キングの「シャイニング」などにも似ている
2013/01/19
hamham
上巻一冊話の“枕”ですよ。なっがい枕だな、おい。太字で意味ありげに『まさか彼女が動いたぞそんなばかな死んでいるのに』と出てきて、おっいよいよ話が動くかと立ち上がりかけたが、まだ動きません。話題は過去や他人へいったりきたり徐行にもほどがある。下巻の裏書「危機を感じたチャウダー協会員たちは、重い口を開き、数十年間隠してきた殺人のことを語りはじめる――」に期待して下巻へ続く。
2015/09/07
**くま**
この作者さんはキングとの共作「タリスマン」「ブラックハウス」とあと多分短編をオムニバスで読んでます。正直、いい印象は持ってなかったですが(キング共作の出来がいいとは思えなかった。キング単独のほうがいい)・・・キングがこれをエッセイでべた褒めしてて、しかも私の好きなゴシック小説だというので読みました。しかもこの方アメリカじゃ人気作家でこれもベストセラー。が、実際読んでみて、文章もストーリーも文学っぽい。ちょっと難しい、わかりにくい。キャラも大勢いるのに現時点でひとりも好きじゃない(泣)。下巻に期待したい!!
2014/09/08
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