アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV) / 感想・レビュー
パトラッシュ
舞台やドラマ化のたびに読み返してきた。つまり前回読んだのは2017年のミュージカルに際して。今年も来週から劇団昴が上演予定でチケットも買っていたのにコロナの野郎! 今回のチャーリイは、アリスは、フェイは、ローズはどんな演出かと楽しみにしていたが。1年余で幼児から超天才にまで成長し老化へ転落するまでを経験してしまうチャーリイの悲劇に深く考えさせられ、本を閉じたら最終行を思い起こして哀しみに満たされる。その感動を味わいたくて何度でも読み返し芝居を観に行くのだ。再び劇場でチャーリイたちを見られる日はいつなのか。
2020/04/10
せ~や
ドラマがどんな話かわからなかったので、原作を。「知識がある」ことが、必ずしも幸せとは限らない。「知らない」でいた方が楽な事もあって、「知らない」でいる方が話せる事もたくさんある。でも「知識がない」は、立っていない感じというか、なんだか不安だったりするのかもしれない。「知識は、視点であり、重りのついた鎖でもあるから、引っ張られずにいろんな所に立てるように、身につけていかないとね」昔、とある人に言われた言葉。アルジャーノンはきっと「唯一」の友達だったんだろうな。「幸せ」ってなんだろう?内容はくどいので☆2.5
2018/04/06
mae.dat
既読ですので、序文のお手紙紹介でうるっとなっちまったよ。大筋の流れ、チャーリーの抱える葛藤などは覚えていたけど、細部の多くは忘れてしまっていた。訳が違うと言うだけでは無いですよね。取り分け知的障害を持つ人、その周りの人達の心情や行動原理を客観的に、時には主観的に想起させられるのは、胸にナイフを突き付けられる思いがすると言うか。読み所が思って居たよりずっと多い。そして最後の「ついしん」で、リアルに泪が溢れてしまった。あのチャーリーが帰って来た。おうちで読んでいて良かったよ。(´•ω•̥`)。
2021/02/23
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
知人からは馬鹿にされ騙され利用ばかりされる32歳で知能は6歳児並の知的障害者チャーリー・ゴードンは、臨床試験の被験者第1号に選ばれ人類初の脳手術を受ける。飛躍的に知能指数は185まで上がり彼の世界は一変する。しかし知能が良くなったことで今までの自分の周囲の実態を知り、世界の在り方を知り天才に変貌した彼は様々な苦悩に苛まれる、、、。知識や知能があることだけが幸せではない。それらを支配する、心がどうあるかが大切なんだ!と教えてくれる良書。頭も良くなりたいが心こそ大切。チャーリーとそしてアルジャーノンに花束を!
2018/09/09
bunmei
知的障がいの青年チャーリイが、臨床実験手術によってIQ185の知能の天才へと生まれ変わっていく物語。多くの知識が身に付き、その場も感じ取りそれなりに多くの人々と関わり、愛し合う事ができる私達。その当たり前の人間らしい言動を示せる幸せ。しかしそれが本当に人間にとって幸せな事なのか?知的障がいの自分と天才の自分の間で、チャーリィが視て感じたジレンマと屈辱、神の領域を侵した罪は、私達が抱く社会通念や世界観へ警鐘を鳴らしているとも感じた。この世には、知らないでいた方が幸せでいる事が、沢山あるのかもしれない。
2024/05/07
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