トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫 NV ウ 23-1)
トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫 NV ウ 23-1) / 感想・レビュー
まふ
スコットランドのエディンバラが舞台のジャンキー族の物語。大学中退の主人公レントンをめぐる規格外の青年たちがヘロイン、スピードなどのヤクとセックス、暴力、糞尿・汚物の世界に浸りきる。レントンは逮捕されてもキルケゴールの思想を語って判事の好印象を勝ち取り執行猶予に留まる「チエ」があり、最後は独りオランダに新しい世界を求めて旅立つ…。トコトン底辺生活に沈むむわけではなく、最後にオランダに向けて新しい世界を目指す、という終わり方が少し常識じみて物足らない気がしたが、内容的には十分に刺激的であった。G1000。
2024/02/06
NAO
「鉄道おたく」という意味の「トレインスポッティング」は、ヘロイン中毒を表す隠語。麻薬に手を出す原因は人それぞれ、同じように麻薬に耽っていても彼らの言動は一様ではない。だが、麻薬だけは止められない。この本が出版された時は、「ドラッグを魅力的に描きすぎている」と否定的な評価もあったというが、この本がドラッグを魅力的に描いているとはとても思えない。禁断症状で、またはハイになりすぎて、汚物まみれになっている彼らは、とても人間的だとは思えないし、注射器の共用や乱交でHIVに感染した若者たちの末路はあまりに哀れだ。
2016/09/26
ゆかーん
「トレインスポッティング」=「ヘロイン中毒」。イギリスは簡単に薬が手に入る社会のようです。ハリーポッターで有名な、ダニエル君やルパート君も薬物の噂がありましたが、ストレスから簡単に薬を手にしまう彼らの姿を想像すると悲しいものがあります。ここに登場する若者たちは、セックス、薬、お酒、喧嘩に溺れ、窃盗を繰り返し続けるダメ人間たちです。薬物中毒でなくても、HIVやアルコール中毒などによって、心身ともにボロボロになってしまいます。真面目に働こうとしても禁断症状が出てしまう彼らに、救いの道はあるのでしょうか…。
2017/08/04
コロコロ
以前、女子にこの本面白いからと渡したことがあった。 10数年の時を経て、書店で文庫化されてるこの本を見つけた。ストーリーをざっくり言えば、ドラッグ中毒の青年とその仲間達。薬物問題やHIV問題などの社会的なテーマを取り上げてはいるけれど…こんなにあったか性描写。こんなにあったか汚い言葉。映画ではユアンマクレガー主演で英国労働者階級の悲惨な現状がリアルに映し出されていて、そこが逆にかっこよかった。今思うことは渡すのは本じゃなくてDVDだったということと、この本を面白いからと言って渡した自分をグーで殴りたい。
2017/01/17
バズリクソンズ
最近映画の方が無性に見たくなり、その素晴らしい内容に感嘆して原作の小説も読むに至る。全編通して退屈とは無縁なぶっ飛んだ内容のオンパレード!このご時世で色々とうるさい制約がある中で、久々に気にかける事無くおもいっきり楽しめたSEX、DRUG、R&Rな内容がもう自分にとって直球ど真ん中で最高でした。映画、原作共に甲乙付け難く、この原作は映画に無い部分の内容を味わえる分だけ得した気持ちになります。この小説を読む時はイギーポップのlastforlifeをかけてユアンマクレガーのスキンヘッド写真のポスター飾るべし!
2022/05/06
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