ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上 (ハヤカワ文庫 NV フ 40-1)
ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上 (ハヤカワ文庫 NV フ 40-1) / 感想・レビュー
こーた
映画好きには堪らない。ヒッチコックに代表される、昔のサスペンス映画が好きならば、特に。一年前、ぼくらは感染症の蔓延という外的な要因から外出自粛を余儀なくされた。一方でこの小説の主人公、精神分析医のアナは、広場恐怖症という内的な理由で豪邸に引き籠もって暮らしている。愉しみは映画鑑賞とチェスのネット対局、ときにはチャットで”診察”をし、窓から覗いて隣人を観察する。いずれもワインをお供に、だ。ある夜、隣家で凶行を目撃する。だが酔いと治療薬による幻覚、映画の虚構も溶け合って、え?え?何が起きてるんだ?下巻へ急げ!
2021/04/03
NAO
語り手は、広場恐怖症の精神科医。10ヶ月近く家に閉じ込もっている彼女の趣味は薄暗い家の中で観るサスペンス映画、望遠鏡での覗き見と、何やら不穏な雰囲気。広場恐怖症となった原因も語られておらず、彼女が信頼に足る語り手なのかどうかがわからない。果たして彼女が語ることは真実なのか、妄想か、はたまた意図的な嘘か。下巻へ。
2022/05/29
かんやん
なんか軽いミステリが読みたくなって、手にする。殺人目撃モノ、ご近所ミステリ、信頼できない語り手……『ガール・オン・ザ・トレイン』を思い出すが、ヒロインが広場恐怖症で外に出られなくて、家で古いミステリ映画(ヒッチコックとか)ばかり観てるところがミソ。ティム・クラベ原作の『ザ・バニシング』についても触れられていて、嬉しい。ヒントが色々散りばめられていて、それにヒロインが気がつかない(酔っ払ってるから)のがもどかしい。しかし、一人称なのに、広場恐怖症になった理由は伏せられていて、引っ張るから、止まらん。
2021/08/08
T66
ガール・オン・ザ・トレイン を思い出した。もちろん人間関係やキャラは違うのだけど、話の雰囲気が似てるのか?翻訳ものは似て感じるのか。やはりアルコール中毒だと信用されないよね、、これはもう仕方ない。下巻が楽しみ。図書館本
2021/12/18
しゅー
★★あらすじから分かるとおり、本作は『裏窓』へのオマージュだ。しかも主人公は、ヒッチコックに代表される古いフィルム▪ノワールのファンと言うから徹底してる。巻末には物語のなかで言及される映像作品の一覧が載っていて、読者はその数の多さに驚くことだろう。『裏窓』以外にも色々と過去作品からの引用やモチーフの転用があふれていて楽しい。主人公は広場恐怖症でアルコール中毒なので「信頼できない語り手」の匂いがプンプンする。登場人物も人数が絞られているので、いったいどのパターンに決着するのかな、と推測しながら下巻へと進む。
2021/06/05
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