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虫づくし (ハヤカワ文庫 NF 143)

虫づくし (ハヤカワ文庫 NF 143)

虫づくし (ハヤカワ文庫 NF 143)

作家
別役実
出版社
早川書房
発売日
1988-03-01
ISBN
9784150501433
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虫づくし (ハヤカワ文庫 NF 143) / 感想・レビュー

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KAZOO

別役さんの「~づくし」シリーズを読んでいるのですが、最初に道具の話を読み始めたときはそれほどでもないと感じていたのですが、途中から違和感を感じていました。ところがこちらの「虫」のほうは、最初からおかしな感じで、これは別役さんに騙されていたと気づきました。まるっきりの創作話ですね。「水虫、たむし、さなだ虫・・・・・」と続いていますが内容はほらばなしのような感じです。私は嫌いではなく大好きです。

2016/01/01

えか

詭弁とは、を、学ぶ良書。虫好きの方はまずはご遠慮なさった方が良い。蟲好きのみが読むが吉。虚心淡々と、水鏡の月の如く、澄んだ心で先ずは、序章を捲る。「一人の男が郵便局の地下に住んでいる…」この出だしでたじろいではいけない。心を浪立てず、そのまま、読み進めよう。どうもその郵便局の地下に住む虫に詳しい男が書いた、虫に関する本を、男の友人が出版したらしい事が記されている。そう、この本は、鬼才別役実氏の真動物体系の祖にして、氏の著書の陰なる主役、ユダヤ人ユージン・キナミ氏の書いた、とされるメタ、フィクションなのだ。

2023/08/21

kochi

虫に詳しい友人、ユージン・キナミの遺稿を劇作家別役実が翻訳した本書は、本屋の店主をして「本ではないよ」と言わしめたいきさつはあとがきに詳しいが、それが、早川ノンフィクション文庫の一冊として収録され、今日まである事は、「厳正な学術書」と見なされた証であろう。水虫、ゴキブリからカタツムリ、はりがね虫まで網羅した本書は、まさに、「一読気分が悪くなり、二度と見たくはない級の変な本」であるという説を唱えても、一概に否定できないのではないかと、言っても、やむを得ないなもしれないと、思われる。

2012/12/13

クライン

「迷いなく」「堂々と」「少しの真実を織り交ぜ」。詐欺の極意の一部だそうです。ただこの作者、「騙す」「謀る」というつもりでは全くないのかも。真実、こうだと信じているのかも。いや実は、そんなバカなと鼻で笑ってる私が、そんなバカはお前だと笑われる存在なのか?「尤もらしい」が美麗なイラストと共に溢れ出す本書、是非ご一読を。

2013/06/11

森矢司

ノンフィクションであるレーベルがそう語っているのだから間違いないないだろう。しかし、記される虫の考察は(私は虫博士ではないが)私の知るそれと全く別のものと思える。だがノンフィクションである。我々の知る学術的な虫の認識は実際はフィクションではないだろうか

2013/01/10

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