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大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫 NF 230)

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫 NF 230)

大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫 NF 230)

作家
スティーヴン キャラハン
Steven Callahan
長辻象平
出版社
早川書房
発売日
1999-05-01
ISBN
9784150502300
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大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫 NF 230) / 感想・レビュー

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サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

「寝転び読書の旅に出た」で紹介されていた椎名誠オススメの一冊。小型ヨットでセイリング中に突如難破。大西洋をたった一人、救命用のゴムボートで漂流したヨットマンのサバイバル記。絶え間なく押し寄せる波、僅かに残った水と食料、飢えと渇き、孤独との闘い。次から次へと起こるトラブルにも耐え凌ぎ、76日間もの漂流の末に奇跡的に助かったのは作者自身が言うように、経験、準備、そして幸運が揃っていたからだ。だが、最も必要なのは決して諦めない強い心、これがあったからこそ生き残ることができたのであろう。★★★★

2016/02/21

蘭奢待

積読山を漁っていたら2冊出てきたので読んでみた。漂流記や探検記は好きなジャンルで、この作品もとても面白い。ヨットマンが大西洋で遭難し、ろくな装備もないゴムボートで脱出。技術を駆使して生還する話。辛く、悲惨な漂流生活ながら、それを楽しんでいるかのような文章に救われる。海流と星を読んで、おおよその場所と、漂着までのおおよその日数を予測するところは流石。それがなければ絶望しかないだろう。精神力に加え、技術も知識も大切なんだな。海には縁遠い生活だが、「まさか自分が」が事故の常。用意しておくに越したことはない。

2020/08/18

Tαkαo Sαito

「このレースに二着はない」/「わたしたちはしなければならないこと、また自然が許すことのみをしているだけだ。にもかかわらず、生命の織物は、ときとしてすばらしい模様を織りなして見せてくれる」/「おたがい、生きていく道は別であっても、生きていくことの本質は同じなのだ」/「ただの魚が、ひとりの人間に、人生の複雑な神秘をいかに教えたかという物語を、あの二尾は今、胸に抱いて泳いでいるのだろうか」

2020/05/30

ホークス

救命イカダで漂流する、孤独なサバイバルの記録。海難者の90%は、遭難から3日以内に死んでしまう。足場を失った恐怖が、飲まず食わずの時より早く命を奪うからだ。本書でも、激しい絶望感が繰り返し著者を襲う。渇きを癒さない「水の砂漠」で、飲み水作りに終始苦しむ。唯一の食料である魚の捕獲と、イカダへの空気補給に体力の多くを奪われる。それでも著者は自分を律し、鼓舞しようとするが、道具やイカダは着実に損傷し、肉体は衰弱していく。苛酷な状況下で、著者が魚たちに命の躍動を見る場面には、僅かな希望と同時に狂気を感じた。

2016/10/18

taku

漂流生活を面白いと言っては申し訳ないが、面白い。救命イカダで大海原を漂い、限られた道具で水と食料を確保し生き延びる。経験、知識、技術は確かに不可欠。しかし、恐怖、孤独、環境に打ち勝つタフさこそ最大の救命道具だ。彼は海神に試さたのかもしれない。そして美しく醜い海で生きることを許された。シイラにモンガラ、サメもネプチューンの使いだったのかも。冒険野郎ってのは、死すれすれを経験をしてもまた元の世界に戻っていくな。それさえ己の糧とするように。

2019/06/23

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