ヘラクレスの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-4 クリスティー短編集 1)
ヘラクレスの冒険 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-4 クリスティー短編集 1) / 感想・レビュー
Ribes triste
エルキュール(Hercule)がヘラクレスの仏語読みであることを今になって知る。ポアロがヘラクレスの12の功績に見立てた12の事件を解決する短編集。謎解きについては強引にねじ伏せられてる気がしなくもないが、全体的にライトでコミカルなのが面白い。12の事件もこれまたバラエティ豊か。さすがはクリスティ。一気に読んでしまいました。恋するポアロの姿にほっこりさせてもらいました。
2024/08/02
旅人(𝒕𝒂𝒃𝒊𝒕𝒐)
再読。ギリシャ神話になぞらえて選ばれた12の事件。神話を知らなくても、この短編集は面白い。意味もなく大勢の人が出て混乱することもないし、事件の種類も様々あるが、事実は「見かけ通りではない」というスタンスの意外性も味わえる。以前の、少し物足りなくて苦手に思った短編集とは満足感が違った。何より好きなところは、全編をとおして、ポアロならではのユーモアがあり、ミス・レモンやジョージもいい感じで登場するし、登場人物達へポアロが親愛を感じる作品もいくつもあって、読後感もいい。
2022/12/06
星落秋風五丈原
この物語は、ポアロが何度目かの引退を口にした事から始まる。 これからはカボチャの改良をして余生を過ごすというポアロに、医師が言う。 「きみの仕事はヘラクレスの難業ではない。愛の難業だ。」 この言葉にポアロは反応する。といっても、「君に仕事は辞められない」と言う彼が言わんとした趣旨ではなく、「ヘラクレスの難業」という比喩にこだわってしまった。本末転倒な話だが、確かに彼がこだわる理由はある。エルキュールをギリシア風に読めばヘラクレス、つまりヘラクレスは、自分と同じ名前の神話上の英雄である。
2004/09/26
あつ子🐈⬛
実家の本棚発掘本。大好きなクリスティ女史のポアロものです。やはり良い。この短篇集では、二篇に渡って登場するミス・カーナビがお気に入りです(笑)ポアロに、「あなたはぼくが会った中でもっとも運のいい犯罪者の一人です」と言わしめた。凄いお人やー。
2018/05/30
ねこねこ
9月15日はクリスティーの誕生日ということで手に取った一冊。ポアロは長編の方が…と思っていたけど、この本はすごくおもしろかった!「おしどり探偵」と同じテーマに沿った連作短編集で、引退してナタウリの品種改良に取り組もうと考えているポアロが、自分の名前にちなんでヘラクレスの難業を辿るように12の難事件を解決していく物語。ハヤカワ・ミステリ文庫では「クリスティー短編集1」なのでこれを選んだんだけど、ロサコフ伯爵夫人の初登場作は「二重の手がかり」で、これは短編集12の「教会で死んだ男」に収録だそう。順番難しい。
2024/09/16
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