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ゼロ時間へ (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-8)

ゼロ時間へ (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-8)

ゼロ時間へ (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-8)

作家
アガサ・クリスティー
田村隆一
出版社
早川書房
発売日
1976-07-01
ISBN
9784150700089
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ゼロ時間へ (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-8) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

クリスティーの代表作の一つ。殺人が起こる「ゼロ時間」へ向かって、物語のボルテージが高まっていくところが面白い。やや物足りないところはあるが、前期の作品にくらべて登場人物の描写が厚みを増しているので、普通の良くできた小説としても読むことができる。機械的なトリックを使わないで、プロットに捻りを加えて、意外な犯人が明らかになる結末は巧いと思う。

2016/05/18

goro@80.7

恐ろしい復讐劇。少ない登場人物の中にいるはずの犯人を見つけ出した奇蹟も・・・してやられた。やはりミステリーの基本はクリスティが全て書き尽くしているのではないかと思えるなぁ。若い人に言いたい!ミステリーは古典から読んだほうがいいわ。

2024/04/17

ゆきちん

だいたいのミステリーは殺人事件が起こって動き出すけど、これは解決という『ゼロ時間』に向かって話が進んでいく。色々展開して、最後で事件が起こって、犯人探し…なんだけど。スポーツマンでハンサムな夫。浪費家で若くて美人の妻。結婚前からの友の男。儚げな捨てられた前妻。昔から思い続ける幼なじみの男。昔気質の大叔母。彼女の世話をする遠縁の叔母。などが嫉妬や妬み嫉みで、誰が被害者でもおかしくなくて、誰だろうと思いながら読み、事件が起こったらいつも通り犯人当てを楽しむ。一粒で二度美味しい推理小説だった。古さは感じないよ。

2017/12/21

のびすけ

冒頭でとある人物(犯人)が殺人を計画する場面が描かれる。殺人とは、事件が起こるずっと以前から始まっていて、それが一点に向かって、つまり「ゼロ時間」に向かって進行するのだ。風光明媚な避暑地の別荘に集まった人たち。事件が起こるまでの経緯、背景、人間関係が丁寧に描かれる。犯人が計画した通りの結末で事件が決着しかけてからの、どんでん返しはお見事だった。犯人が計画していた本当の「ゼロ時間」。伏線の張り方や事件の背景にある男女のドラマが素晴らしい。目立たない作品だけど、アガサ・クリスティを堪能できる一冊。

2022/03/21

kochi

著名なテニス選手で登山家でハンサムで金持ちで美人の奥さんがいるストレンジの周りのドロドロ人間関係が引き起こす殺人事件。ありふれた設定に見えるが、「私はね、よくできている探偵小説が好きなのだ。だがね、どれも出だしがいけない! みんな殺人ではじまっておるのだ。しかし殺人というものは終局なのだよ。物語は、ずっとまえからはじまっているのだ」本編にも登場し、重要な役割を果たす引退した弁護士のトリーヴス老のこの言葉が、本書の性格を的確に表現。倒叙的でなく「ゼロ時間」である終局をどう表現するか? やられました!

2016/07/10

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