ポケットにライ麦を (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-17)
ポケットにライ麦を (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-17) / 感想・レビュー
背番号10@せばてん。
1990年10月15日読了。著者の代表作『そして誰もいなくなった』ほど有名ではないものの、本書もマザー・グースの見立てモノ。あらすじはもちろん、忘却の彼方。(2023年9月22日入力)
1990/10/15
鐵太郎
ほぼ40年ぶりに再読。ジェーン・マープルものなんだけど、主に捜査するのは経験豊かで度量の広いニール警部。彼の視点で語られる上質のミステリですが、実はその陰にミス・マープルのめったに見せない感情、激怒が隠されていたのは今回読み直して分かりました。「警部さん、わたし、犯人の殺しようが残酷すぎるので、肝が立って肝が立って──」 ああ、そういうことだったんだ、彼女が遠路はるばる現れた訳は。クリスティーはやっぱり奥が深い。 ・・・でも「肝が立って」という言葉はおかしくないか、翻訳者さん?
2019/05/14
旅人(𝒕𝒂𝒃𝒊𝒕𝒐)
マザー・グースの詩に見立てた3つの殺人。2つはクリスティーが得意とする毒殺で、いちいの木の実がタキシンという毒になるなどあまり知られていない毒物について、とても詳しく書かれている。今まで読んだマープルものは、どちらかというと少しおどおどして余計なことをいいがちなおばあちゃんの印象だったが、今作はそういった描写が少なく、物語の展開も淀みなくて面白かった。
2023/04/14
shiaruvy
★4 [S51.12.31 初版] クリスティ初読時からここ35年くらいの間で,読み厭きた!と思いきや必ず自分の中でブームがたびたび盛り返してくる。 ネタ知っていても益々読みたくなるのは名作揃いだからだろう。 『カーテン』『スリーピングマーダー』まであと5冊のカウントダウンにやっと突入♪
2012/11/29
MIKETOM
アガサ作品はこれで三作目。古典中の古典であり、昨今のミステリーに比べれば驚愕のどんでん返しとか練りに練ったトリックとかではないが、こういう作品が多く書かれた上に現代の名作群があるんだなというのがよくわかる。マザーグースの歌に見立てた殺人。もっとも、それがそれほど重要な要素ではないけど。推理が行ったり来たりしながら浮かんでは消えた人物がやっぱ真犯人か!と思ったら、そのすぐそばにいた人物だった。あ、くそ、やっぱそっちだったか!てな感じで悔しがるのもまたこの手の作品を読む楽しさではある。→
2024/05/03
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