アクロイド殺し (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-45)
アクロイド殺し (ハヤカワ・ミステリ文庫 1-45) / 感想・レビュー
こーた
村の名士アクロイド氏を殺したのは、だれか?容疑者はみな秘密を抱え、ひとつひとつの小さな嘘が、事件を一層ややこしくする。遺産相続、秘密の情事、アメリカ訛りの謎の男、残された軍靴の足跡。金田一耕助もかくやとおもわせる舞台装置のうらで、引退したはずの名探偵が暗躍し、助手役の姉が噂話の収集にいそしむさまは、どこまでも軽やかだ。ミステリの女王が仕掛ける前代未聞のトリック。オチを知って二度目を読めば、そのフェアネスに感嘆せずにはいられない。自らを名探偵といって憚からない、ポアロの灰色の脳細胞がきょうも冴えわたる。
2018/04/02
優希
面白かったです。犯行の動機、目的、手がかりが警察につかめない殺人事件にポアロが挑みます。迷宮入りになっていた事件も鮮やかに解決してしまうのが凄いところですね。トリックがフェアであるかどうかも読みどころだと思います。騙される感覚が気持ち良かったです。
2018/01/10
NAO
巧みに言い回しに気づかっても、それほど変わったトリックでもないからやっぱり犯人の想像はついてしまう。トリックがフェアかアンフェアかで論争にまでなったそうだが、現在ではこのぐらいのトリックは普通にあるし、ということはそれだけクリスティがミステリ界の先端を行っていたということだろう。『スタイルズ荘の怪事件』でも思ったが、ポアロと常に行動している人間が語り手でない場合、ポアロが語る独自捜査による新事実は、私には読者の前に急に降ってわいてきたラッキーカードのように見えて、何だか信憑性が感じられない。
2017/01/27
ちえ
発表と同時に論争を巻き起こしたクリスティーの代表作。村のシェパード医師の家に夜中にかかってきた電話。急ぎ地主の家に向かうと主人のロジャー・アクロイドは刺殺されていた。何度も読み細かいところまで覚えているのに読むたびに新しい発見と楽しさがある。一人一人が隠している嘘、解きほぐしていく中で見えてくる事実。人間描写、ユーモア。作者の作品に共通する犯罪に対しての厳しくさと人に対する優しさ。ポアロがカボチャつくりに満足して引退しないでよかった(^^)◆ガーディアン必読1000◆
2021/07/20
背古巣
犯人当たっちゃいました。論理的な考えではなく、読み進むうちに漠然とですが、「こいつが犯人じゃね?」と思って来ました。著書の作品は、必ずしも犯人が(作品内の)世間に明るみになるものばかりではないので、こういうのもありかなと思います。この作品はフェアかアンフェアかの論争が有るらしいですが、私はフェアだと思います。最後にいつもの一言です。面白かった❗
2019/01/06
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