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十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)

十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)

十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)

作家
エラリイ・クイーン
青田 勝
出版社
早川書房
発売日
1976-04-01
ISBN
9784150701017
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十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1) / 感想・レビュー

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W-G

面白い。本格としてキレが悪い面もあるが、作者がライツヴィルで描きたかったものが、この作品をもって結実したのではないか。この町で起こる事件が"エラリークイーンの事件"であった意味が、この作品で呈示される訳だが、『災厄の町』構想当初から、ここまでの流れが作者の頭にあったのだろうか。その辺りも興味深い。第二の脅迫以降はとにかく引き込まれる。登場人物(=容疑者)も少なく、殺人も終盤近く。それで400頁を読ませる面白さ。一冊目としてはオススメしないが、クイーンを追いかける上で絶対に外せない重要地点。

2016/07/31

セウテス

【第3期シリーズ】第4弾。〔再読〕本作は『新世紀エヴァンゲリオン』と設定がよく似ており、登場人物の言動に類似点が多い事が知られている。今回は意識して再読してみると、前回の不満を感じずに読めた事は面白すぎる。不満と書いたが、本作は人の内面描写など文学的に傑作であるとの評価は理解するが、単純にミステリとしては終盤の殺人とどんでん返しの素晴らしさ迄は、かなり長い物語だと感じるのだ。エラリー・クイーンを読み込んだ読者が、満を持して手に取る作品だと思う。真相が解って再読すると、実に巧妙な表現に驚きと衝撃を受ける。

2020/12/22

藤月はな(灯れ松明の火)

先に「九尾の猫」から読んでいたのでエラリーが徹底的な敗北を帰したライツヴィル の事件とはどんなものか知るために読みました。19日間の記憶がない血塗れのハワードは友人、クイーンに助けを求めるが・・・・。その後、発覚した心理学的な事実とハワードの馬鹿さ加減に呆れながら、罪を着せられそうになりながらもクイーンは手伝うが悲劇は起きる。後期クイーン問題を提示した作品ですが悪魔でフェアだと思います。しかし、クイーンのあの行為は神気取りの傲慢過ぎる行いだと思う

2013/01/27

Tetchy

本作ではかなり意識的にライツヴィルという町がエラリイにとって運命的な何かを持っている存在として描かれる。エラリイの役回りは謎の脅迫者を突き止める探偵役、ではなく、このハワードとサリーの2人に翻弄される哀れな使い走りであることが異色。前にも述べたがこういう役回りを配される辺り、国名シリーズ以降のクイーンシリーズはパズラーから脱却してストーリーを重視し、ドラマ性を持たせることに重きを置いているように感じる。特に驚くのは事件の真相が解明するのは一旦落着した1年後であることだ。しかしこの結末は好きではないなぁ。

2010/05/24

Small World

架空の街ライツヴィルを舞台にしたシリーズ第3弾を読了です。実は第2弾を飛ばしてたりするのですが、『九尾の猫(新訳版)』を読みたくて、つながりがあるらしいこの作品を手に取りました。新訳がないので、若干、台詞に古さを感じてしまうものの、読みごたえは十分でした。まあ、傍点が多すぎで、何の意味があるんだろうと思っていましたが、十日目を読むと、意図が見えてきて、思わず傍点箇所を読みなおしちゃいました。w  さて、傷心のエラリィ、復活の時は来るのでしょうか?←来るの知ってるやろw

2017/11/24

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