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ダブル・ダブル (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-5)

ダブル・ダブル (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-5)

ダブル・ダブル (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-5)

作家
エラリイ・クイーン
青田 勝
出版社
早川書房
発売日
1976-06-01
ISBN
9784150701055
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ダブル・ダブル (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-5) / 感想・レビュー

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W-G

改めて『災厄の町』から順番通りに読むと良さが増す。傑作ではないが個人的お気に入り。童謡殺人物であるが、事故か他殺か分からない状況がずっと続くので童謡"殺人"を期待しすぎるとやや興を削がれる。各事件毎にアリバイ調べ等の条件絞りこみもない。つまりエラリー自身への襲撃がなければ犯人指摘出来なかったのでは?という危うさはある。解決への持って行き方は、クリスティ、というかポアロを連想させる大胆さと軽さの入り交じった物。リーマという個性的な女性を主題にした文学色が強い作品だが、ライツビィルの事件としては妙に馴染む。

2016/08/25

夜間飛行

事件が探偵の所に舞い込む道は色々あるけれど、ここでは匿名で郵送されてきた新聞記事と不意に現れた妖精めいた女の子が、エラリイを事件の渦中へと誘う。富豪・貧者・呑んだくれの一連の死は、病気か自殺か事故か、はたまた殺人か。〝あだ名〟どうしの奇妙な関連に気づいたエラリイだが、死者たちの繋がりは金貨の両面のように二つの可能性を示したまま、依然として謎に包まれている。五つめの死によって金貨の一面だけが残ったように見えた後、嘲笑うかの如く第六第七の死が訪れ…さしものエラリイも、空をつかむ難事件に為すすべなく終わるのか?

2014/07/30

Small World

EQのライツヴィルシリーズNo.4を読了です。このシリーズは、エラリーの推理が切れ味悪くw、探偵が為すすべなく時間だけが過ぎていく場面もあったりするので、モヤモヤした感じなのです。多分、20代の自分であれば堪えきれなかったと思うのですが、年を重ねた自分にとっては嫌いじゃなかったりします。シリーズの残りも少なくなってきたので、大事に読んでいきたいです。

2019/06/26

Tetchy

実に摑みどころの無い事件。殺人事件とも思えない連続的な事故に対し、エラリイは誰かの作為が介在して意図的に起こされた殺人なのだと固執して事件の関連性を調査するのが、本作の主眼だが、なんとも地味な内容だ。『九尾の猫』と本書はどちらも複数の人の死を扱っていながら、テーマは表裏一体だ。しかし次々と人が殺されていく『九尾の猫』は物語としても実に派手であるが、本作は事故としか見えないものをエラリイが無理矢理事件にしようと苦心し、足掻いているだけに実に地味だ。『九尾の猫』が陽ならば本書は陰の作品といえよう。

2010/10/13

みなみ

今回は魅力的なヒロインのおかげで少し明るい雰囲気もあるものの、ライツヴィルシリーズはほの暗い独特な雰囲気をいつも感じる。童謡の歌詞に沿った見立て殺人がテーマということで、「そして誰もいなくなった」が傑作なので、それと比べて少し厳しい目で読んでしまった。連続殺人事件が発生しても、仕方ないと開き直っていたり、犯人に利用されてしまったりとエラリィ側にも少し抜けが目立つものの、それでも物語全体としてみると面白かった。

2023/05/02

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