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ガラスの村 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-8)

ガラスの村 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-8)

ガラスの村 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-8)

作家
エラリイ・クイーン
青田 勝
出版社
早川書房
発売日
1976-08-01
ISBN
9784150701086
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ガラスの村 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-8) / 感想・レビュー

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Kiyoshi Utsugi

ニューイングランド北部にある「シンの辻」と呼ばれる寒村(住人は35人。殺された人物を入れると36人。)で起きた殺人事件を探偵役のジョニー・シン(判事のルイス・シンの従弟)が解き明かすというもの。 殺されたのはシンの辻でも著名な財産家で画家の90歳を越える老齢のファニー・アダムズ。 シンの辻にやって来たところをシンの辻の住人に見られた浮浪者のジョゼフ・コワルチックが疑われます。 最後にはジョニー・シンがなんとなくエラリー・クイーンのように思えてきました。

2022/01/04

ホームズ

小さな村の中で起きた殺人事件。たまたま村を通りがかった外国人が犯人として捕らえられ裁判も受けないままに私刑にあいそうな展開が…。ただ余所者でしかも東側の人間というだけで扱いが酷い。不利な証拠も発見されるがその前から酷い。この作品が書かれた時代背景が大きく影響を与えてるし実際同じような事が起きていたんだと思うけどやはり閉鎖された世界は怖いな。推理小説としての解決は良かった(笑)エラリーが登場しないのは少し残念ですがエラリー以外の主人公で正解かな(笑)

2013/07/21

Tetchy

クイーン作品にしては珍しくほとんどが法廷シーンで繰り広げられる。法廷シーンばかりであっても、きちんとロジックで容疑者の無実を判明するところがさすがはクイーンである。ジョニーの役はクイーンに置き換えても違和感はなかっただろう。なぜこの作品の主人公がエラリイ・クイーンでなく、元軍人のジョニーなのか。それは作中でも書かれている戦争による大量虐殺の悲劇とそれがもたらすミステリの存在価値を今一度問うために、戦争を経験した者に敢えて一人の個人の死の真相を探らせることが必要だったではないかと個人的に思う。

2011/06/02

浅木原

60年前に書かれた『ソロモンの偽証』みたいなノンシリーズ長編。あるいは『第八の日』とともに『インシテミル』『丸太町ルヴォワール』あたりへ繋がる法廷ミステリ兼共同幻想ミステリで、つくづく本格ミステリとは即ちクイーンなのであるなあ。『災厄の町』にも見える共同体の集団ヒステリーへの嫌悪を背景に、共同幻想の求める「納得」に対して客観的理性が導き出す「真実」が勝利するという構図がマッカーシズム批判になっているのが、本格ミステリと社会性を接続するという意味でライツヴィルの系譜のひとつの到達点か。面白かった。

2017/04/10

ヨッシー

傑作!!!!!いやぁ、今まで読んだクイーンの中で、一番楽しめたかもしれません。偏見の塊みたいなリンチ大好き村人軍団vs理性派常識人法律組、という構成がまず燃えますし、本格ミステリでありながら、明らかにマトモでない展開が読者をつかんで離しません。構成こそ破格ですがミステリとしての出来は十二分だし、そもそもストーリーがものっそい読ませるので文句のつけようがありません。強いて言えばラストもうちょっと捻って欲しかったですが、まぁあくまでクイーンは本格作家ですからねぇ。エラリイ不在の見事な一作でした。

2012/09/15

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