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九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)

作家
エラリイ・クイーン
大庭 忠男
出版社
早川書房
発売日
1978-07-01
ISBN
9784150701185
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九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

ヴァン・ホーンの事件から犯罪科学者、兼探偵としてプライドを傷ついたエラリーは警察のスケープゴートにさせられた父の頼みで「猫」の犯罪を解こうとするが・・・。エラリーの事件の規則性を見出すのはプロファイリング的である。しかし、高村薫さんの「冷血」のようなことが起こる現在には最早、通じないだろう。精神分析が使われているのは時代の為か。私は「猫」よりも一人の女性のパニックになって叫んだ時の群衆の怯えようとその犠牲に身の毛がよだちました。若い二人のロマンスが挟まれているだけに最後の悲惨さが遣り切れないです。

2013/01/06

goro@80.7

殺人鬼に「CAT」なんて名称を与えたからニューヨークの猫は大変な事になっちゃったじゃないの!と猫好きな皆様の憤慨が聞こえてきますが、無差別殺人にパニックになる様子は今でも起こり得るのではないか。特命捜査を依頼されたエラリイが推理する。無差別だと思われる事件に共通点はあるのか?70年近く前の作品だけど最後まで飽きさせず堪能いたしました。悩めるエラリイへの最後の一行が救いとなるのか・・・。名作だと思う。

2016/04/23

Tetchy

一番解決が困難とされるのは動機も関係性もない人物が通りがかりに人を殺す事件だと云われている。本書はエラリイのロジックはこのような無差別通り魔殺人事件にも通用するのかが表向きのテーマであろう。犯罪方法よりも犯人の動機に重きを置き、なぜ反抗に至ったかを心理学的アプローチで解き明かすエラリイ。しかしそれは犯人の切なる心理と同調し、時には自らの存在意義すらも否定するまでに心に傷を残す。最後の一行に書かれた救いの言葉がせめてエラリイの心痛を和らげてくれることを祈ろう。

2010/06/10

jima

道尾氏が「プロムナード」で愛する本格ミステリーと紹介するだけ中身の濃い作品だった。9件の連続殺人事件。一ひねりも二ひねりもある作者のエネルギーに脱帽。

2014/05/28

みっぴー

「猫」による無差別殺人事件がNYを混乱の極みに……。あらゆる手段を尽くしても手がかり一つ残さない「猫」。ミッシングリンクです。200pあたりにしてようやく被害者の共通項を見つけ、一気に包囲網を狭めて逮捕。ん?残りのページが多すぎるぞ??「HOG連続殺人事件」やクリスティの「ABC~」が好きな方は読んで損はないと思います。今回のエル、神経が衰弱してます。自信満々なエルもいいけど、私個人としてはこちらのエルがツボでした。ラストの泣きじゃくるエルが印象的…

2015/08/02

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