孤独の島 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-22)
孤独の島 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-22) / 感想・レビュー
Kiyoshi Utsugi
執筆活動40周年記念作品とのことです。 ニュー・ブラッドフォードという小さな町で男二人、女一人の三人組によって、アズテック製紙会社の全社員に支払う給料25000ドルが強奪されます。 三人組の仲間であったアズテック製紙会社の帳簿係は仲間割れで殺害されます。 すぐに事件は知られることになり、街は閉鎖されます。 その三人組は更に町の警察官であるウェズリー・マローンの家に押し込み娘を人質にします。 娘を人質に取られ窮地に陥ったマローンが、無事に娘を取り戻すことが出来るのか… 途中から面白くなって、引き込まれます。
2022/04/04
Tetchy
全く従来のクイーン作品とは趣も文体も味わいも違う作品だ。テイストとしてはハメットやチャンドラーが書いた冷酷無比な悪党の登場するハードボイルドを感じさせる。本書はクイーン作家生活40周年を記念して書かれた作品だが、晩年のクイーン作品の多くがそうであったように、本書もまた他の作家の手によるクイーン名義の作品だと思っていた。この作品にクイーンの端正なロジックやサプライズは一切ないからだ。クイーン=本格という図式が強く根付いているため、本書でもそれを期待してしまった。その先入観が強すぎて本書の世界に浸れなかった。
2012/12/26
タッキー
クイーンの作家活動40周年の記念作品。ミステリー色はなく、クイーンとしては異色のストーリー。三人の強盗が奪った金を隠すため、警官の家に押し入り警官に金を預けて、代わりに警官の娘を拉致して逃亡。そこから始まるサスペンスもので、次々とストーリーが展開早く動いていき、次どうなるか、先が気になって楽しく読めました。まるで映画を観ているようで、面白かったです。
2020/06/23
カーゾン
M:ノン・シリーズかつハードボイルド系の著作と知っていたので手を出さずにいたのだが、古本屋の十把一絡げのボックスに有ったので買ってみた。でも安物買いの銭失いでした、と言わざるを得ない。元々ハードボイルド系読んでないので、展開や暴力的描写が優れているのか薄味なのかも比較出来ない。強いて言えば、主人公のマローンが今後起こりそうなことや娘を救う方法をあれこれ思考するところが、クイーンぽいのかも。クイーン超Loveな人のみどうぞ。スピーディに読めるところはメリットです。
2024/11/03
Jimmy
クイーン40周年の記念作品だそうだが、何をトチ狂ってこんな作品を、というクイーンファンには絶対に手を出すな!と警告したい作品。どんなにガイドブックがこの問題作を持ち上げようとしても、騙されちゃダメ、と思うけどなぁ。だって主人公の人間描写・造型だって薄いじゃん。
2022/05/13
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