顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-23)
顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-23) / 感想・レビュー
Kiyoshi Utsugi
ニューヨークに住み一世を風靡した歌手で巨万の富を蓄えたグローリー・ギルドが何者かの手によって銃殺されます。 その時、死の間際に残されたダイイング・メッセージ「FACE(顔)」。 ヨーロッパでいろんな話を聞いてきて、久しぶりにニューヨークに帰ってきたエラリー・クイーンのところにロバータ・ウェストという女優から調査の依頼が届き、別件でクイーン警視のところに来ていたロンドンの私立探偵であるハリー・バークと協力して、この事件を解決します。 久しぶりにエラリー・クイーンらしい活躍を見せる作品でした。
2021/12/08
Tetchy
本書はいつもと趣向が変わっている。主犯が明らかになっているのだが、実行犯である共犯者を探し出すという物語なのだ。しかしこの趣向は物語が終わってから気付かされるのであり、クイーン読者ならば犯人捜しがメインだと思わされる。そしてシリーズ読者ならばローマン劇場やJ・J・マッキュー判事なる単語に思わずニヤリとするに違いない。またやたらと当時の風俗を忍ばせる固有名詞が頻発する。ビートルズにプレイボーイ、etc。さらにクイーンの世界が近くなった気がした。しかし今回エラリイと相棒のバークは女性の胸に目が行きすぎだな…。
2012/06/05
a43
初エラリイ・クイーン。またしても変わってるのを手に取ったのかな。登録数も2桁。犯人が知りたくて、一気読みの面白さだった。ダイイングメッセージが解けたのに振り出しに戻る、というのは面白かった。だが、ダイイングメッセージはダイイングメッセージだった。最後のエラリイが気の毒過ぎて、寝付けなかった(笑)海外の本格派の人たちも意外と心理戦ものがあるのだな。まぁ、各作家の作品数が多いから変遷するのか。たくさん読みたい。またクリスティも読みたい。
2017/01/30
ホームズ
久々に再読(笑)こんなに面白かったっけ?(笑)すっかり内容は忘れてしまっていた(笑)「FACE」というダイイングメッセージの不自然さの説明はそれなりに良かったとは思います(笑)しかし謎解きの場所と方法が・・・。エラリーももう少し考えてあげられなかったのでしょうか・・・。悲しい結末でした。なんだか胸が締め付けられるような感覚でした。
2010/09/14
hal
この作品のラストが「最後の女」の冒頭シーンに続く。同じくダイイングメッセージものだが、被害者がパズル好きで、何か意味のあるものを残したら犯人に始末される可能性があるため、謎のメッセージを残したという設定は納得できる。犯人の意外性もあり、なかなか面白い。だが、クイーン親子は、いつの間にかきちんと家事が出来るようになってるのね。最初の頃召使いの少年を使ってたけど、いつから彼はいなくなったのだろう。
2020/05/03
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