三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24) / 感想・レビュー
GaGa
エラリー・クィーンの終盤の作品で(この頃は名義貸しで、ほとんどがゴーストライターの作だと言われる)その中では割とまともなサスペンスだったと思う。ただ、ネタ的には使い古されており、多くの類似したトリックの名作もあるので、あまり高い評価はできない。でも、ミステリー初心者が読んだら割と楽しめそうな作品。
2012/06/30
hit4papa
セレブ一家の家長の愛人が射殺され、その家長、妻、息子に次々に嫌疑がかかります。息子は骨折で入院中のエラリイ・クイーンに助力を求め、被疑者それぞれの無実を証明するという展開です。本作品ではクイーンが安楽椅子探偵、息子が彼の足となる助手の役回り。クイーンの推理を補強すべく、息子と家長の秘書が奮闘します。事件の背景として、母親のため息子が家長である父の愛人を篭絡しようという企てがあります。ここは現実離れしていて、終始、違和感がつきまといました。ラストのひねりの利かせ方は良いんですがね。1965年作品。
2018/05/16
背番号10@せばてん。
1984年8月4日読了。クイーン(フレデリック・ダネイ)はプロットのみで、執筆はアヴラム・デイヴィッドスン…と云われている作品、その2。(2023年2月16日入力)
1984/08/04
Tetchy
幾何学的な素っ気ないタイトルは三角関係を表し、事件は父の愛人であり息子の恋人である女性の殺人。物語はそのエラリイの鮮やかなロジックで解決した後、また別の真相が控えている。正直に云って私はこのどんでん返しの前の真相の方が好きなのだが、作者がこの真相を気に入らなかったような節が見られる。もう単なるパズラーやロジックで犯人を云い当てる推理ゲームから脱却したクイーンのこの頃の作品は逆にバランスを欠いているように感じ、釈然としない読後感を残す。この作品の真価が私の中で定まるのはまだしばらく時間がかかりそうだ。
2012/03/07
タッキー
最近ミステリーを読んでいて、ページ数が多く凝っていて、難しいなぁと思っていましたが、これはいろんなことを詰め込むのではなく、シンプルかつ合理的にコンパクトにまとめ切った本格ミステリー。クイーン後期の作品。クイーンは確かに短編も面白いですが、圧倒的に長編が好き。なんといっても長編はエラリーとリチャードの親子クイーンが活躍!父親の愛人を殺したのは誰か?まず父親に容疑かかけられ、次に母親に、そして最後に自分である息子に疑いが。エラリーが出した結論は?最後のひっくり返し方は意外。でもこれあり?と思わせられました。
2020/05/27
感想・レビューをもっと見る