フォックス家の殺人〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
フォックス家の殺人〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) / 感想・レビュー
Kircheis
★★★★☆ ライツヴィルシリーズ2作目。 12年前に起こった殺人事件の真相を掘り起こすため、エラリーがライツヴィルに舞い戻る。 このシリーズの特徴として、エラリーのロジカルな推理に加え、人間の内面が描かれている点が挙げられる。本作でも悩むフォックス家の面々の姿がしっかり描かれていて読み応えがあった。 ラストのエラリーの解説は見事だが、そもそもボネールが事件後すぐに現れていればベイヤードが犯人とされることもなかったと思われ、少しモヤモヤが残る。隠された第二の真相が割と予想の範囲内だったのも少し残念。
2022/12/15
Sam
クィーンの主要な著作は読んだつもりだったけど何故か未読だった本書。必ずしも評価の高くない作品だしそれほど期待せずに読んだのだが、ライツヴィルシリーズ特有の人間模様や雰囲気が漂っているかと思えば、初期クィーン作品で見られる職人芸の如き細かいロジックも健在。ストーリー展開にも無理なところがなく、(何となく予想の範囲内ではあったが)真相の意外性も十分。ということで、何十年ぶりかのクィーンはなかなかよかった。
2024/04/13
しゃお
エラリイ・クイーン〈ライツヴィル〉シリーズ2作目。戦争帰りの英雄デイヴィー・フォックスは戦争体験による心的外傷で妻リンダを殺してしまいそうに。その要因は12年前に父ベイヤードが母を殺害した事にあり、エラリイはリンダに請われ事件を再調査する事になるのですが、調査すればするほどベイヤードしか犯人たりえない事実が浮かび上がる様子と共にフォックス家の人々やライツヴィルの人達の内面などが丁寧に描かれる事で、サスペンスとしての緊張感が。真相にいたるきっかけは若干唐突感はあるけど、エラリイの優しさで余韻に浸れました。
2021/02/13
Kiyoshi Utsugi
デイヴィー・フォックスは、戦争の英雄として故郷のライツヴィルに錦を飾ります。ただ、戦場でのトラウマもあって病んでいたデイヴィーは、妻のリンダを危うく殺すところとなります。 それは、過去にデイヴィーの母親であるジェシカを12年前に毒殺したという罪で父親のベイヤードが服役するという事件が影響していると考えられました。 このためリンダはエラリー・クイーンに12年前の事件の再調査を依頼します。 久しぶりに訪れたライツヴィルの街でエラリー・クイーンが活躍するというものです。 ライツヴィル・シリーズ面白いです。😀
2021/10/26
星落秋風五丈原
再びライツヴィルへ。今度はエラリイのラブはなし。探偵だからこそのあのラスト。
2023/03/24
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