レイディ・イン・ザ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-9 チャンドラー短篇全集 3)
レイディ・イン・ザ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-9 チャンドラー短篇全集 3) / 感想・レビュー
bapaksejahtera
今回は1938年から翌年にかけての多分著者盛期の作品。①赤い風②黄色いキング③ベイシティ・ブルース④レイディ・イン・ザ・レイク⑤真珠は困りもの の5編である。今回の中では真珠の首飾り盗難を題材とする点で⑤と似ている④「赤い風」が、流れるような進行と簡明さ、及びエスプリに溢れた結末といい最も気に入った。②で同じ創元版ではhotel detectiveを「探偵」と訳していたが、此の早川では「警備員」。ともあれこの作品も良い。③④も可であるが、⑤のユーモアには私のレベルでは理解に到達しなかった。
2022/01/03
ぶうたん
短篇全集の3巻。短篇じゃなくて中篇集だな。年代的には長篇に移行する直前のようである。読むとやはり長篇型の作家なのかな、と言う印象が強い。読んでいると主人公と視点の一致するプライベートアイを地で行くような趣きだが、独特でハードボイルドに慣れないせいかストーリーが追いづらかった。それに巻頭の作品で特に強く感じたのが修飾語の多さ。何かを表現するのに必ず例えを入れるのはパロディみたいだった。そんなこんなで心の底から楽しむところまで行けなかったのは修行が足りないせいです。すみません。
2023/03/21
ドウ
チャンドラー短編集の第3弾。『湖中の女』を読む前に元々の短編版を読んでおこうかと。既に文体はほぼ完成されていて、後は主人公がフィリップ・マーロウを名乗るかどうか、という所に来ている。一方で『真珠は困りもの』のような、作品の幅を広げようとするような意欲作も収録。収められた5作の中では、一匹狼的な主人公が多い中で相棒が登場する『ベイシティ・ブルース』が特にお気に入り。ただ今書いていて気付いてしまいましたが、『ベイシティ・ブルース』と『真珠は困りもの』は、文体がコミカルかどうか以外、話の筋がほぼ一緒ですね。
2020/03/27
DEE
後の「水底の女」となる「レイディ・イン・ザ・レイク」を含む5編からなる短編集。 山奥の湖の桟橋で、沈んだ女の死体を見つける象徴的なシーンはこの時から現在。でも主人公はまだマーロウを名乗っていない。 マーロウが初めて出てくる「赤い風」がよかった。
2019/05/22
べっちー
この短編集も長編の元になった作品が多々、それにしてもウィスキーが飲みたくなる
2023/09/20
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