興奮 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-1 競馬シリーズ)
興奮 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-1 競馬シリーズ) / 感想・レビュー
absinthe
面白かった。競馬業界の裏、不正事件の謎を解くサスペンス。とある練馬牧場主が素人探偵として雇われる。繰り返し行われる怪しい競馬不正の謎を暴くため、怪しげな厩舎に潜入する。表向きの華やかさと違い裏の薄暗く殺伐とした雰囲気が重苦しい。オーストラリア育ちの主人公が英国へ。開放的な社会から、究極の階級社会へ。差別意識、劣悪な環境。悪人を演じ続けることへの鬱憤。これでもかと伸し掛かる。ラストの解放感は爽快。
2021/06/14
goro@80.7
競馬にあまり関心がないので避けてたフランシスです。屈辱にまみれながらも真実を追い求めるダニエル。それにしても残酷な馬への罠にこちらも頭に血が上る。そんな奴らは許さないぜとダニエルを応援したけど、ラストの決断はどうなの?と思うのでした。
2021/08/24
papako
面白かった!1965年ものです。オーストラリアの裕福な牧場主がイギリスの競馬界の潜入捜査を引き受ける。平穏とプライドを捨てて厩務員に身をやつし、隠された悪事をあぶり出す。情報の少ない中、一見無関係な事件のつながりを見つけ、少しずつ真相に迫る過程は手に汗握る展開です。もちろん古さもありますが、それ以上に競馬や馬の世界に引き込んでくれます。読んでいると馬場の匂いがする気がします。全編に馬への愛が溢れていますが、犯人の馬への仕打ちはひどすぎます。イギリスと馬は切っても切れない関係なんですね!
2016/04/26
mii22.
ディック・フランシス競馬シリーズ代表作。面白かった。競馬小説であり、ミステリであり、ハードボイルドだ。オーストラリアで種馬牧場を経営しながら平穏な生活を送っていた主人公は、イギリスの障害レースでの不正、黒い疑惑の真相究明を依頼され、怪しげな厩務員の姿で潜入捜査をはじめる。どんな難題にぶち当たろうとも弱音をはかず、真相を追い続ける主人公はタフでカッコいい。競馬のことは知らなくとも十分楽しめるが、読み終わる頃には、美しい馬の毛なみや、厩舎の匂いを目に浮かべ、体で感じることができるほど競馬の世界に引き込まれた。
2016/09/05
財布にジャック
ディック・フランシス初読みです。競馬ミステリーって珍しいかなぁと思い、興味津々で読んでみました。主人公がたった一人で大活躍、過酷な状況をどう脱するのか、ハラハラドキドキしました。でも、何の為にこんなに頑張ってるのかと、理解できない面もあり、感情移入はしにくかったです。馬、馬、馬で馬だらけで幸せでしたが、馬がかわいそうな場面もあり、そこだけは辛かったです。それにしても、最後のオチは予想外でした。
2010/12/04
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