度胸 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-5 競馬シリーズ)
度胸 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-5 競馬シリーズ) / 感想・レビュー
absinthe
病的に騎手を恨む男が繰り出す卑劣な罠。最初、主人公が可哀そうでたまらなく、読むのが辛いのだが。へこたれない主人公、最後は倍返しだ!競馬業界に詳しい著者が蘊蓄たっぷりに描く競争の厳しさ。Dフランシスが描く男はどれもカッコいいなぁ。競馬の話ばかり書く人だと思われているが、馬のことよりも、カッコイイ男を描くのがさらに上手いのだ。障害競走の危険さとスリルが伝わってくる。
2022/02/04
KAZOO
ディック・フランシスの2作目です。玄人の方にはかなり受ける作品だと思います。評価が高いのは当然なのでしょう。2作目でこれくらいの作品を書くということは並大抵のことではないと思われます。競馬の好き嫌いにかかわらずにミステリーとくに心理的な感じのものが好きな方は是非お読みになるといいのではないかと思っています。
2016/09/27
財布にジャック
少し前に読んだ「興奮」同様この作品も主役が一人で頑張って事態を打開するんですが、その格好良さが、この作者の一番の魅力だと思います。こんな勇敢な男性なら、女性なら誰でも惹かれちゃうこと請け合いです!登場人物の騎手たちの苦悩、それにプラス今回はテレビというメディアを絡ませて、殺人事件あり恋愛ありで、最後までノンストップで楽しく読ませていただきました。競馬界の内幕を覗いてみたい方に是非お薦めしたいです。
2011/01/07
タツ フカガワ
競馬場で起きた有名騎手の拳銃自殺。その現場を目の当たりにした新米騎手ロバート・フィンだが、これがきっかけのようにある噂から幾人かが騎手の道から退いていった。そしてフィンにも悪い噂が立ち始める。噂の裏に病的な嫉妬と憎悪に気付いたフィンは、ある罠を仕掛ける。競馬シリーズ初期の作品で、再読ながらも初読のように楽しみました。従妹に恋するフィンの淡い気持ちを絡めながら後半、噂の陰にいる人物との攻防はまさに手に汗握る一気読みの面白さでした。
2021/12/06
白玉あずき
大変面白く読みやすうございました。ただし主人公の人物造形には「懐かしい古きよき時代」を感じます。ハードボイルドの典型、ストイックでフェアで寛容、かつ能力高し。英国の理想、立派すぎる主人公。ゆがんだ邪悪な犯人に「倍返し」などとは絶対言わない所がすごい。人間的弱点がないと主人公に感情移入できないのですが、これには困ったなあ。シリーズではなくてそれぞれ独立した作品で、登場人物も違うらしいので、今後の従姉妹さんとの展開がわからないのが心残り。まあこの主人公だから、時間はかかっても目的達成しちゃうんだろうな。
2018/02/26
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