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利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-18 競馬シリーズ)

利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-18 競馬シリーズ)

利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-18 競馬シリーズ)

作家
ディック・フランシス
菊池光
出版社
早川書房
発売日
1985-08-01
ISBN
9784150707187
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利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-18 競馬シリーズ) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

absinthe

片腕を事故で失った元名騎手が競馬界の不正に挑む。手口や謎も意外だったが、主人公のキャラでもたせた作品ともいえる。脅されるとますます燃えるありがちなヒーローと違い、逃げてしまおうか戦うべきか悩み続ける。一度はしっぽを巻いて逃げてしまおうと思いながら恐怖に立ち向かい克服していく。これこそ本当の強さなのか。さすが元騎手が書いた作品だけあって、業界にも詳しい。心底馬が好きなんだなと思わせる。

2021/08/07

遥かなる想い

ディック・フランシスの『競馬シリーズ』は昔『興奮』を読んで以来の2作目だが、今回の調査員シッド・ハレーという片手の 人間は 妙に屈折感が あって いい。屈辱感と恐怖感に震えながら闘っていく姿に共感を覚える。

2004/01/01

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

事故で隻腕となった元騎手のシッド・ハレー。彼もとにある調査が依頼される。将来有望な本命馬が重要レースで突如失速しそのまま引退してしまうというものだ。競馬シリーズばかり40作以上も執筆したフランシス。意外なことに複数回登場するのはこのシッドとあと一人のみ。有能な調査員だがシッドはスーパーマンではない。黒幕の脅迫に一度は屈してしまうほどの弱い面も持ち合わせている。だが、そんな彼だからこそ、作者にもそして読者にも好かれてシリーズ物となっているのであろう。話は面白いがトリックにやや難点あるので減点1。★★★★

2014/12/26

nemuro

巻末のリストを数えてみたら『興奮』から『密輸』まで31作。当時全作を購入し既読。日本語版のタイトルのすべてが漢字二文字。思い付きで始めてはみたものの毎回絞り出すような苦戦を強いられたに違いない。1962年の『本命』でデビューして1966年の『飛越』以降は一年一作のペース。1979年の本書。イギリス冒険小説の流れを汲みつつ元騎手ならではの筆致で競馬界の事件と人物を描く。シリーズにおいて唯一(『大穴』以来)二度目の登場、シッド・ハレー。30数年ぶりの再読。辰巳四郎の表紙カバーも懐かしく意志強固な男の姿が甦る。

2021/11/06

bookkeeper

★★★★★★ 再読。隻腕の調査員シッド・ハレー再登場。腕を失う恐怖、気球レースの高揚感、友を傷付けられる怒り…何度読んでも激しく感情が揺さぶられる。身体も心も柔い部分を持っているという点で、私と同じだからこんなに共感するのか。自分がありたい姿を見失いそうになったら、この本に戻って来ます。そして、片腕よりも無くしたくないものに気付くシッドに勇気を貰う。元妻ジェニィとの心の機微や決着の着き方もとても好き。粒揃いの競馬シリーズでも屈指の名編です。私にとっては、一生に一度出逢えるかどうかの"マイベスト"の1つ。

2019/12/04

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