麻薬密売人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-5 87分署シリーズ)
麻薬密売人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-5 87分署シリーズ) / 感想・レビュー
背番号10@せばてん。
1990年11月27日読了。87分署シリーズ第3弾。エド・マクべイン、2005年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2023年6月22日入力)
1990/11/27
tom
昭和31年出版、だから66年前の刑事小説。それなのに、読んでいて面白いというのがすごい。物語はシンプル。おバカな青年が麻薬販売の新規事業を始めるために、ちょっとした計画を立てる。グッドアイデアと思っていたのに、ちょっとした手違いで歯車が狂い、3人を殺し1人が重傷。本人の取り調べは、テレビドラマのシーンを連想するような展開で、あっという間に自白。今どきのミステリーの複雑さと比べたら、月とスッポンくらいの違い。でも、刑事たちや周りの人たちの会話など、これが楽しめる。私は好きだな。
2023/09/04
鐵太郎
麻薬密売──アメリカの宿痾か。これに、正面切ってとまではいかないがまともに取り組んだ一作。87分署の捜査主任、つまり刑事たちのボスであるピート・バーンズ警部の息子がジャンキーになり、父親としての苦悩が生々しく描かれます。翻訳文が、一生懸命言葉を選んだのはわかるけど、あまりに時代遅れの陳腐なものになっているのが残念至極。今回スティーヴ・キャレラがとんでもないことになります。ああ、この巻だったんだね。 ──時は今、神の御子の生まれ給いしクリスマス、世はなべてこともなし。
2019/03/11
Ribes triste
87分署シリーズ。読みながら、昭和の香り漂う隠語の数々に懐かしさを覚える。情報屋のダニーの饒舌な江戸弁も味わい深い。そして失われつつある言葉でもあるのだなあと実感。古い翻訳本の面白さを改めて感じたのでした。
2016/10/04
アヤネ
シリーズ3作目。冬はまるで爆弾をかかえたアナーキストのように襲いかかってきた……街はクリスマスに近かった。寒さが骨の髄まで凍らせ、耳もちぎれそうな深夜、パトロール警官のジェネロは、とある地下室から洩れる明かりを発見した――無意識のうちに握りしめたリヴォルヴァーを手に、彼が地下室の寒々とした裸電球の下で見たものは……顔が紫色に変色し、頸に紐をまきつけられた無惨な死体と化している少年の姿だった。しかも少年の傍らには空の注射器が無造作に転がっていた!。。。キャレラがなんと!
2016/11/23
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