漂う殺人鬼 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 3-24 ダイヤモンド警視シリーズ)
漂う殺人鬼 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 3-24 ダイヤモンド警視シリーズ) / 感想・レビュー
mayumi
ピーター・ダイヤモンドシリーズ。これは面白かった!海水浴場で起きた目撃者なき殺人と「古老の舟乗り」という詩になぞらえた連続殺人。海水浴場で殺された女性がこの連続殺人のプロファイリングを行なっていたことから、事件の関連性が疑われる…というストーリー。今回、ダイヤモンド警視は100ページ過ぎまで登場しない。その代わりに話を引っ張るのは別の署の女刑事・ヘン。彼女とダイヤモンド警視が合同捜査を進めていく。冒頭の「殺人をするなら〜」の文に惑わされた。作者、うまいことミスリードしたなあ。
2020/08/07
Ribes triste
ダイヤモンド警視シリーズ。シリーズ後半にきて、登場人物たちの身辺の時間の流れを感じる。ダイヤモンドの最愛の妻ステフは亡くなり、悩ましい記者だったインゲボルグは、刑事としてダイヤモンドの有能な部下になっている。今回もいつの間にやら事件の渦中に入り込んでいるところが、実にダイヤモンドらしいなぁと思いながら読了。
2020/02/19
J・P・フリーマン
ダイヤモンド警部シリーズ。ところどころにユーモア溢れる会話を交えたラヴゼイらしさがありますが、今回はサイコサスペンス風の展開が続きます。しかし、冗長という感じも。前半は殺人事件の目撃者捜しが焦点となるのだが、なぜか警察に見つかりたくない目撃者。その理由が気になって、読書を牽引する要素になっているのですが、いざ見つかり理由も判明したら目撃者はそれっきり出てきません。面白いんだけど、そんなに引っ張る必要はないんじゃないかと、思ったりもして。ちょっとここが気になった点かなあ。
2018/07/07
bapaksejahtera
愛妻に死なれて一年。主人公がどうなることかと心配した。英国南部海岸の小警察管内で心理分析学者が殺される事件が本作の発端。女性警部が主役となって捜査が進められ、ダイヤモンドは当初姿を見せないが、登場早々大いに笑わせてくれる。事件は有名人相手のシリアル殺人へと進行し、冒頭の被害者は心理分析を担当していた事が判明。ダイアモンドと女性警部は相携え事件解決に当たる。最後は意外な人物が犯人と分かるのだが納得の結末。主人公も優秀な女性の扱いをだんだんと心得てきているようである。本シリーズはストックが残り少なく、寂しい。
2021/03/30
ブラックジャケット
久しぶりにダイアモンド警視シリーズを手に取る。サイコパス風の殺人事件から、予告される二人の標的。意外な組み合わせにも感じる。始まりはバースとは関係ないビーチ。監視人はいるわ、海水浴客もいっぱいの中の殺人。こちらの捜査は女性警部ヘンリエッタが担当。身元確認で訪れたダイアモンドと共同戦線を張り、難敵の連続殺人犯「古老の船乗り」を追う。三人目の標的とされたアナを強引にバースに連れてきて、周到に網を張るが…。異常な残虐さより、知的で歪んだ復讐心が英国ミステリ風。枕と結末に使われた女性上司のエピソードが笑える。
2018/04/25
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