フォールアウト (ハヤカワ・ミステリ文庫)
フォールアウト (ハヤカワ・ミステリ文庫) / 感想・レビュー
NAO
シカゴで探偵をしているV・I・ウォーショースキーを主人公としたシリーズ。知人の女子大生からの行方不明になった友人のいとこを探してほしいという依頼を受け、本拠地シカゴを離れカンザス州ローレンスで捜査することに。怪しげな軍の所有地。閉鎖的な人々。ヴィクが動く度に、何らかの事件が起き、どうやらヴィクは何者かによって監視されているらしい。どんなに不利な状況に陥っても決してめげないヴィクは、強いだけでなくとても優しい。彼女になら話してもいいと思ったり、彼女を信じて協力する者が登場することも違和感なく読める。
2023/08/16
tom
お久しぶりのサラ・パレツキー。昔は、新作が出るたびに読んでいたけれど、今回は6年ぶりのV.I.との対面。相変わらずのV.I.の振る舞い。最初の登場から考えたら、ずいぶんな歳になっているはずなのに、書中では、どうも歳を取らないらしい。その彼女が今回は、カンザスの田舎に出張っていって人探しを始めましたという話。翻訳をしたのは山本やよいさん。この人の翻訳の安定度は十分。どの本を読んでも安心。翻訳のうまさのためか、妙にじっくりと読むことになってしまって、読了まで一週間。いつものV.I.だったけれど、楽しめました。
2018/04/16
kyoko
今回も国際関係、生物学兵器、軍や研究所の関与など社会的背景の中で、親子間の葛藤や男女間の恋愛や嫉妬など、重厚な内容だった。孤軍奮闘なヴィクであるが信頼できる人が現れ、ペピーは賢く、ホッとする一幕もあった。おもしろかった。それにしてもこの長編を上下巻に分けずにどーんと出版してくれる早川書房に感謝。
2018/02/04
Mc6ρ助
珍しくヒロインが一回しか入院しない、しかし、お馴染みの女探偵物語。『「安っぽくない事件も調べてほしかったわね」 わたしはぼやいた。「わたしは納税者よ。あなたと大佐はどちらも国民の僕であり、主人ではない。わたしたち国民があなたの給料を払っている。だから、あなたはわたしのために働いてるのよ。ケイディ・ペレックをつかまえてここに閉じこめてる?ケイディならその点を説明してくれるわ。 政府の働きを十二歳の生徒たちに理解させようとするのが彼女の仕事だもの」(p593)』日本だけじゃないのを喜ぶべきか嘆くべきか。
2018/06/18
sine_wave
かなり分厚い。ウォーショースキーがシカゴを離れて、カンザス州ローレンスで活躍をする。行方不明の二人をさがすが、どうも生物兵器に絡んでいるらしく、陸軍からも出て来ているらしい。あまりにも危険に近づくV.I.に耐えられなくて、ジェイクが彼女から離れていくのがさびしい。
2018/05/11
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