夜明けの光の中に (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 10-7 ローレンス・ブロック傑作集 3)
夜明けの光の中に (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 10-7 ローレンス・ブロック傑作集 3) / 感想・レビュー
KAZOO
短編集の三冊目でこの中にはマット・スカダーのものを入れて20の作品が収められています。一冊目から読んでいますがローレンス・ブロックはやはりはずれはありませんでした。マット・スカダーが登場するとやはり読んでいて安心感があります。
2015/07/15
Tetchy
収録作が80年代末から90年代に掛けての物が多いせいか、当時の流行を反映してサイコパス物や人間の不思議な習慣や行動に根差した作品が多く感じた。これが発表当時、世紀末だったことに起因する特異性なのか解らないが、奇妙な味わいを残すオチが多い。割り切れなさとでも云おうか。さてそんな短編集の個人的ベストは「胡桃の木」、「慈悲深い死の天使」、「フロント・ガラスの虫のように」、「どんな気分?」の5つ。世紀末だからこそ書かれた作品群と思えば、本書は今後文学史を語る上で貴重な資料となり得る短編集と云えよう。
2015/07/30
madhatter
再読。第一巻のような鋭さは望むべくもないが、人間心理描写は深みを増している。また、鋭いオチにしても、それをそのまま提示するのではなく、捻りやぼかしを加えるなど、工夫が凝らされている。「胡桃の木」では、母のしたことを明記せず、匂わせるのみに留めて、恐怖を増幅させている。エイレングラフものも、依頼人を救って終わりではなく、そこから生じた影響を更に描くことで、捻りが加えられている。その他お気に入りは「夢の…」「男が…」「魂の治療法」「慈悲深い…」「いつか…」「思い出のかけら」「自由への一撃」。
2011/08/26
shamrock
相変わらずのうまさで安心して読んでいける短編集。「胡桃の木」とスカダーものがお気に入り。
2011/10/28
satooko
「おかしなこと聞くね」のファーストインパクトには欠けるけれども、やはりこの人の短篇はよい。表題は「聖なる酒場の挽歌」の元ネタ。犯罪ものではない「夢のクリーヴランド」「いつかテディ・ベアを」がよかった。
2009/03/03
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